横浜の優勝で幕を閉じた第97回選抜高校野球大会。今大会は健大高崎の石垣元気投手が選抜最速の155㌔を計測すれば、初出場の浦和実が4強入りするなど大いに盛り上がりました。
そんな中、上級生に負けじと2年生も甲子園で躍動し、存在感を示した場面が多くありました。そこで今回は、来年のドラフト戦線を騒がせそうな2年生四人衆を紹介します。
①織田翔希投手(横浜)
1回戦でいきなり自己最速を更新する152㌔を記録し、スタンドを沸かせた怪物右腕。大会前に胃腸炎、2回戦では爪のアクシデントに見舞われるといった心配なニュースもありましたが、全試合で先発を任されました。
大会を通じて徐々に復調していった織田投手は、準決勝の健大高崎戦で7イニング無失点、決勝の智弁和歌山戦では6回途中1失点と好投。優勝に大きく貢献しました。
巨人・西舘勇陽投手のようにセットポジション時の投球が素早く、許した盗塁はわずか1つだけ。今大会の防御率は2.16を記録し、まだまだ線は細いですが伸びしろは十分です。春連覇の権利を獲得し、さらなる活躍が期待されます。
②菰田陽生選手(山梨学院)
大谷翔平選手(ドジャース)ばりの「二刀流」。2回戦の西日本短大付戦で初めて聖地のマウンドに上がると、3イニングを完全投球。最速は152㌔を計測し、大型右腕の片鱗を見せつけました。
また、打者では1回戦、2回戦ともに3番で出場。外角に逃げるスライダーに苦戦しつつも、打率.333、2打点と結果を残しました。特に注目すべきは2回戦の第4打席。それまで三振、三ゴと抑えられていたスライダーを捉えると、打球はフェンス手前まで伸びる中犠。惜しくも本塁打とはなりませんでしたが、こちらも大型打者としての力を見せました。
投打ともにスケールの大きい選手であることを証明した今大会。「二刀流」としてさらなる活躍が期待されます。
③末吉良丞投手(沖縄尚学)
最速150㌔左腕として注目された末吉投手は、1回戦の青森山田戦で157球の熱投で3失点完投勝利。中でも光ったのは、8回の135球目にこの日最速の145㌔を記録したこと。無限のスタミナを感じさせる、先発型の投手です。
2回戦の横浜戦では2回から登板。7イニングを投げて5失点と悔しい結果に終わりましたが、最後まで粘って7-8という好ゲームを演出しました。
球数は要するものの、最後まで力が落ちないのが末吉投手の魅力。やや粗削りながら、今大会の2年生左腕ではナンバー1の実力といえます。
④丹羽涼介投手(市和歌山)
背番号「10」の右腕は、1回戦の横浜戦で3回途中から登板。4回に1点を失ったものの、以降は9回までわずか1安打投球。最速は147㌔を計測しました。
特徴的なのはスライダー。丹羽投手はこの日8つの三振を奪いましたが、スライダーが決め球になったのは7つ。相手打者の左右関係なく、自信を持って投げ込んでいる姿が印象的でした。
1回戦で姿を消してしまいましたが、勝ち上がっていれば注目度が増していたことは確実。直球だけでなく、スライダーという見事な決め球を持つレベルの高い投手です。
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