東京を中心に大人初心者・ブランク向けにバスケットボールサークルを開催するHi-Five Basketball。
2023年5月と6月にサークル内リーグ戦「The League Season2」が開催された。
4月からエントリーが始まり、代表の「モケ」により4つのチーム分けがされ、私はチームLITとして参加することになった。
ついに第1節を迎えるが、自分たちのたてた戦術は通用するのか、私個人として若者達にどこまで通用するのか。
楽しみなリーグ戦が始まる。
ここがすごい「スタッツ」
接戦となる試合の概要も伝えたいが、その前に試合以外にもサークルメンバーが注目するリーグ戦のお楽しみポイントを伝えたい。
その一つが「スタッツ」である。
試合毎に各選手やチームスタッツがつけられるのだ。
これはサークルメンバーの有志によるものであり、その精度の高さは驚きである。
各チームこのスタッツも参考にして対策をたてるのだ。
自分や注目選手の成績が数字で見れるというのは実に面白い。
有志の時間の都合がつく限り、ということにはなるがリーグ戦を盛り上げる一つの要素として尽力してくれている。
4チーム分のスタッツをいったいどれだけ動画を観返し、時間をかけて作成してくれているのだろうか。
スタッツをつけてくれる仲間に全員が感謝している。
ここもおもしろい「実況と解説」
全試合動画撮影がされるが、メンバーを知る有志の都合がつき会場に足を運んでくれた時には、実況と解説をしてくれる。
各チームと選手の特徴を知ることができ、試合を楽しく振り返ることができる。
リーグ戦に参加や応援に来ていなくとも、この動画を通じてサークルメンバーを知るきっかけにもなる。
身内ネタが含まれるのもサークルらしい内容であり、動画を観ていると思わず実況に笑ってしまいこともある。
私はこの実況と解説が好きで楽しみにしている。
ここがしっかり「審判」
以前よりモケは審判員が笛を吹ける場所を提供したいと言っていたが、このリーグ戦もその場所のひとつである。
身内で開催する試合の場合、選手が審判を兼ねることが少なくない中、Hi-Fiveのリーグ戦では審判に興味を持ちステップアップを志す有志により審判が行われる。
※有志の都合のつく限りとなるので、もちろん代表のモケが笛を吹くこともある。
審判員がいると雰囲気も変わり試合が引き締まる。
そして試合が終わると集合写真にも入らず、最後まで選手を主役としてたて静かに会場を後にする。
一貫した審判としての振る舞いは実に凛々しい。
リーグ戦 第1節
チームLITの全員初顔合わせ。
最初に決めたことは円陣での掛け声。
「ワン・ツー・スリー リッ ゴー!(1・2・3 LIT Go)」で行くことにした。
試合は8分4Q流し(4分で交代、1・2・3Qは残り30秒止め、4Qのみ残り1分止め)、始まるとあっという間に時間が過ぎてしまうため、どのチームもペースを握られると取り返しが難しくなる。
それが分かっているからだろう、どのチームも一瞬も気が抜けないと気合が入った状態である。
Game1 FREAK×DOPE
FREAKにはゲームをコントロールすることに長けた優秀なガードとインサイドでも勝負ができる女性選手がいるチーム。
DOPEは優秀なアタッカーが複数いるうえ3Pもアタックもできる女性選手がいるチーム。
恐らく入念に各々の役割や攻め方を打ち合わせてきたのであろう、FREAKには有能な選手が1名欠場だったものの、試合をしっかりコントロールし47対17と点差をつけてFREAKが勝利。
DOPEはペースを掴みきれなかったのと、ボールがリングに嫌われてしまい得点が伸びなかった。
しかし後に全チームから「もう二度とDOPEとはやりたくない」と言わせるほどの火力を秘めているのだった。
Game2 LIT×SWAG
SWAGはチームをぐいぐい引っ張るアタッカー、冷静なガード、ここ一番で仕事をする選手、元気な声と積極的なプレーでチームを盛り上げる女性選手など、キャラクターが際立つチームである。
我がチームは今大会、唯一の純粋センターを擁し、冷静で優秀なハンドラー、当たり始めると止まらないシューター、ワンハンドでシュートを放つ女性選手がいるチーム。
1Qから3-2ゾーンを展開。SWAGは想定していなかったであろうゾーンの対応に遅れる。
DFではLITセンターがアタッカーをブロックし、OFでは最初の得点をシューターの3Pで決めるという好調な出だしであった。
途中、マンツーマンも含めながら試合を優位に進めるが・・・。
徐々にSWAGがギアを上げてくる。
3Q終了時点で25対19の6点差でLITリードも、SWAGの追い上げムードで4Qがスタート。
4Qの先制点はSWAG、25対21の4点差と詰めてくる。
追い上げムードを断ち切りたいところで、LITシューターが3Pを決める!
点差を開いたと思いきや、SWAGのアタッカーがバスカンで会場を盛り上げる!
しかし、そのアタッカーを運よく5ファールで退場させることができ、追加でLITのシューターが3Pを決める。
4Q4分の選手交代時間、LITが35対27で8点差でリード。
このままリードを保ち逃げ切りたいところだが、試合再開早々に3PをSWAGに決められる!
さらに勢いにのった同選手にレイアップで得点されると、そのゴールされたボールをエンドラインから出したパスをカットされ連続で得点を許してしまった。
残り3分で35対34で1点差でとなる。
会場は「1点差!1点差!」と大盛り上がり!
すかさずLITはタイムアウトを要求したのだった。
雰囲気に飲まれず、焦らず落ち着いてしっかりプレーすること。
LITはそのことを確認しあい、コートに戻る。
ここからお互い得点が決まらず緊張の時間が続く。
残り40秒、試合を決定づけたのはLITハンドラーによる3P。
トップで冷静にセンターにスクリーンを要求し、DFの動きをしっかり見定めて放った3Pがゴールに吸い込まれたのだった。
残り30秒、SWAGのオフェンスをしのぎ38対34でLITの勝利。
この試合でLITは、3-2ゾーンを他チームに印象付け、シューターは3Pを5本決める活躍で注目されることになる。
私が最も印象深かったのは、4Qの3-2ゾーンでTOPが私、両翼を女性選手が担ってくれた時だった。
2人とも両腕を精一杯に広げ足を動かし相手チームにプレッシャーを与えてくれる。
OFからDFに切り替わった時もダッシュで戻りすぐに配置についてくれる。
その果敢な姿に影響され奮い立った時、最も試合に集中でき自分なりのプレーができたのだった。
リーグ戦 第2節
次戦まで約2週間あくが、その間に上がってきた動画とスタッツをみて各チームが次戦に備える。
さらには各チームとも、第1節のプレーによりチーム内理解を含め調子を上げてくることになる。
チームLITは試合前に、最寄り駅のファミレスに集まり、その日のローテーションやOFとDF方針を再確認したのだった。
Game1 FREAK×LIT
FREAKは指揮官であるガードが欠場。それでも油断のならないチームである。
前節欠場だった、万能で副指揮官といえる選手が出場。
さらに、事前に指揮官から指示が出ていたのであろう、LITのシューターへのチェックとセンターへのプレッシャーがしっかりしていた。
LITのDFはマンツーマンを採用。
ただし、DFにつく相手の組み合わせを工夫して、常にゴール下に一人が居続けてアタックを防止できるようにした。
DFは機能したが、OFはシュートで終えるものの得点にならずペースを掴め損ねていた。
1Q終了時、8対3の5点差LIT劣勢であった。
2Qに私ができる数少ない仕事を実行。
相手チームの副指揮官にフェイスガードを仕掛けてボールをコントロールさせないようにした。
徐々にLITのOFギアがあがり逆転して2Qを終える。
逆転したといっても12対13の1点差である。
3QはFREAKのOFが勢いを増し逆転される。
しかしLITシューターの連続3Pが決まり、その後も得点をかさね3Q終了時には同点に追いつく。
21対21、同点スタートの4QでLITが仕掛ける。
DFを3-2ゾーンに切り替え、FREAKのOFペースを崩す作戦に出た。
私は3-2ゾーンのトップ担当として出場。
自分のできることは、足を動かしとにかく大きく声を出すこと。
その日の残りの体力をDFに全振りしてチームに勢いをもたらそうと決意。
LITのDFから4Qが始まりFREAKのOFを押さえると、1発目の得点をシューターの3Pで決めた!
LITの気迫のこもったゾーンDFに会場が沸いた!
4Q4分の交代時間、22対26でLITリード。
私はベンチに戻り仲間を信じて見守る。
LITはゾーンを継続しながら攻略を許さず、シューターがこの日4本目となる3Pを決め会場が大きく沸いた!
このまま終わると思いきやFREAKも得点し数秒で連続パスカットしてゴールに迫る!
何かが起こるたびに会場は大いに沸いた!
LITは追い上げられハラハラドキドキの展開。
しかし何とか逃げ切り27-31でLIT勝利。
Game2 SWAG×DOPE
両チームともアタックが強い上に、リバウンドでセカンドチャンスを作る粘り強さがある。
お互い2Qから一気にギアが上がる。
DOPEはディープ3Pを女性選手が決め、さらに同選手がドライブからバスカンを決める。
SWAGも女性選手2名がコーナーから3Pを決める。
両チーム、男女ともの活躍で点の取り合いとなり会場も盛り上がる!
かろうじてSWAGが21対19と2点リードで後半を迎えるも、3Q早々にDOPEが得点を重ね逆転。
27対35とDOPEが点差を8点まで広げ4Qを迎える。
4Qも点の取り合いとなりSWAGが8点差を埋められずにいたが、流れを掴むと得点を重ね残り1分35秒で3点差、残り54秒で1点差まで詰め寄る。
残り21秒でDOPEがフリースローを得て1本決め2点差。
会場が息をのんで見守る中、SWAGガードがドライブしてDFが寄ったところでキックアウトパス。
サークルメンバーから”ゲキ渋”と慕われる選手が3Pを放つとそのままゴールに吸い込まれ逆転!
残り10秒、DOPE最後のシュートはネットを揺らすことができず試合終了。
46対45でSWAGが勝利を掴んだ。
点の取り合いとなる激しい試合だったが、試合終了の挨拶と共にお互いの健闘をたたえあう姿も印象的だった。
次節に向けて
ここまでの対戦で唯一LITが二連勝したため決勝進出が確定した。
次戦を落としても決勝だが狙うは全勝。
次戦で行われるFREAKとSWAGの勝者が決勝の相手となる。
LITはDOPEとの対戦となるが、相手の火力の強さと、こちらの手の内が見えてきていることから苦戦することが容易に想像できる。
さてどうしたものか・・・と思いつつ、一人で考えるのではなく皆で意見を出し合おう、そうすぐに思えたことにチームの仲間に対する強い信頼感と頼もしさを実感するのだった。
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