優勝へのカギを握る99年世代 神奈川を沸かせた当時の高校球児たちの想いとは
- 今シーズンから安里海選手と齋藤健成選手が加入しました
柿崎:安里は高校生のときに沖縄からきて、一年生で桐蔭学園との試合に先発して「すげえな」って思った記憶があって、そこからずっと有名。エースとしての活躍を期待しています。(齋藤)健成は中学生のときのDeNAベイスターズカップで、中学生とは思えないスピードを投げていたのが印象的。桐光学園では、めっちゃ肩強い、バッティングめっちゃいい、動けるってイメージで、すごかったです。
齋藤:(柿崎)颯馬も中学から有名で、ジャイアンツカップで打ってたじゃん。
柿崎:懐かしいね(笑)。
齋藤:横浜緑シニアといったら柿崎だったし、桐蔭の顔としてやってきて、高校卒業して社会人に進んだのはさすがだと思った。まさか一緒にプレーすることになるとは思わなかったけど、すごく楽しみ。
柿崎:カツ(桂川)もDeNAベイスターズカップの時から知っていて、当時は右のエースだったね。ピッチャーやったりキャッチャーやったりすごく器用で、今のチームでもみんなから信頼されている。だから今年はキャプテンになったし、去年は守備がすごくよくて、バッティングがもう少し上がれば走攻守揃うよね。
佐藤:カツはとにかくデカいっていうイメージだったなあ。
安里:桐光学園は身体能力が高いチームで、桂川は特に恐れていた選手。何をしてくるかわからなくて怖かった。
佐藤:(安里)海は高校で一緒にやっていて、一年生から投げている衝撃がすごかった。大学、社会人を経てレベルアップした投球が楽しみ。独立リーグでもねじ伏せてくれると思う。
安里:いやもう、やるだけ、やるしかない。がんばります(笑)。
桂川:(佐藤)燎がいる東海大相模と対戦したとき、いい当たりを2つくらいダイビングキャッチされて「練習の質とか違う、すげえな」って思った。やっぱり外野手として、打球に対する体勢、送球がうまいなって印象。
柿崎:燎はバランスがいい選手。守備はもちろんいい、バッティングも数字以上の仕事をしている。昨シーズンは燎が2番を打つことが多くて、そこでチャンスメイクをしてくれるから、自分とカレオンが勢いに乗れる。本人もバッティングはもっと自信を持っていいかなって。
佐藤:バッティングでいえばやっぱり颯馬がすごいよ。昨年は群を抜いていたし、ヒットが1本出たら、2本、3本出るし、チームには欠かせない存在。おちゃらけるけど、締めるところは締めるしね。
柿崎:燎は同じ年にこのチームに入ってから、ずっと主力、中心でがんばってくれているし、勝負強いところも期待している。
- 安里選手、齋藤選手にとって独立リーグ一年目です
柿崎:二人は社会人強豪で、きっちりした野球をやってきたと思います。だから独立リーグ、特に神奈川の自由さに最初はびっくりすると思う。ただ、自己中でやっているわけではなく、みんな自分が目指している野球をやっているだけ。他チームからよく言われるのは「楽しそう」「明るい」ということ。だから二人にとってもやりやすいのかなって思う。
安里:昨年の夏くらいに神奈川の試合を見に行って「めっちゃ楽しんでるな」って思ったんだよね。それが決め手というワケじゃないけど、そもそも、なにをやるにしても楽しまないと意味ないなって思うようになって。このチームに来ることができてよかった。
齋藤:高校、大学で野球をやってきて、自分で考える練習が多かったんだけど、社会人では自分のやりたい練習がなかなかできなくて。自分は考えながらトレーニングするのが向いていると思うし、独立リーグは自分次第なところがあるというのが決め手。後悔をしない選択をしたかったので、神奈川を選んだんだよね。
桂川:俺も社会人を経験しているけど、健成の言う通りだと思う。自分で考えてやる時間や練習が多いというのが、俺も独立リーグを選んだきっかけのひとつだったから。
- 齋藤選手はヤンチャだったと聞いていますが?
齋藤:誰がそんなこと言ってたんですか(笑)?
桂川:俺(笑)。健成のことは中学から知っていて、見るからにヤンチャ。野球やってる姿もヤンチャだったから。
柿崎:雰囲気ヤンキー?(笑)。
桂川:桐光学園で一緒になったけど、よく監督に怒られていたもん。でも同級生からは好かれるタイプ。
齋藤:(安里)海だって、東海大相模時代に一緒だったけど、お互いに練習に出るのが遅くて、マイペースだなって思っていたよ。
安里:健成はすごくいい選手で、やるときはやるタイプ。試合に出たら全部打ってくれるという印象で、投手をやっているとありがたい。なので、性格とかほかのことはどうでもいい(笑)。
全員:(笑)。
佐藤:海はTHE沖縄人だよね。ただただ陽気で、自分の時間がある。朝起きても動けないし、出かけるのに待ち合わせをしても、待ち合わせの時間になってようやく活動が始まるタイプ。
柿崎:マイペースだね。
安里:燎はずっと練習しているイメージで、野球に対してはめっちゃ熱い。私生活ではずっとしゃべり続けていて、自分はあまりしゃべるタイプじゃないから楽だけど(笑)。
齋藤:でも海だってグラウンドに出たら別。切り替えはすごく意識してやっていたと思うし、野球に対する姿勢は信頼しているよ。
- この中で身体能力高いのは誰ですか?
全員:健成!
柿崎:肩がおかしいくらい強い。
桂川:肩の強さ、球の強さが人と違うし、バッティングもいい。間違いなく身体能力が一番高い。
- みなさん、安里選手と対戦しての印象は?
齋藤:ストレートも変化球もコントロール、テンポがいいし、出所もほかより独特でいきないり腕が出てくる。自分が対戦したら怖い、嫌だなっていう感じ。
桂川:独特の出どころ、外に逃げながら伸びるボールは、なかなかいないタイプ。ストレートを狙ってもファールになるし、浮き上がって近いところで伸びてくるイメージ。
佐藤:人にはない柔らかさがあって打ちづらい。このチームに来るときも「戦いたくないからうちに来てくれ」って言ったくらい(笑)。それくらい嫌なピッチャー。
柿崎:俺は対戦は一打席だけ。いきなりお尻に当てられて痛かったから、球威があるのは知っている!
全員:(笑)。
安里:覚えてないな(笑)。ここにいるのは、自分たちの代の神奈川の主力なので誰とも対戦したくないし、投げないで済むなら投げたくないよ。
- 安里選手が注目している選手は誰ですか?
安里:齋藤のバッティングですね。どう言っていいかわからないんですけど(笑)、とりあえず一回見てもらえればすごさがわかると思います。
柿崎:健成は同じ野手として入ってきて、競争生まれて、お互いにがんばってくれたら、神奈川ももっと強くなるって期待しています。
齋藤:今年は自分に期待、注目してほしいです。とにかく結果を出すしかないですし、周りを見る余裕がないという意味での自分。社会人を辞めて、独立リーグに来たのも強い覚悟があります。
- 柿崎さんは今シーズンから兼任コーチとなりましたが、選手への接し方は変わりそうですか?
柿崎:グラウンドにいるときは接し方変わらないと思います。みんなの野球をやっている姿の見方、選手として違う考え方しなきゃいけなかったりするけど、野球以外のところでは同級生なので、あんまり立場は変わらないかな。
桂川:俺は今年からキャプテンをやるから、自分としてもコーチの柿崎と連携がとりやすいし、言いたいことも言えるからありがたい存在。コーチを兼任することで視野が広がって、自分のプラスになるんじゃないかなって思います。
佐藤:颯馬は去年はキャプテンで、独立リーグも三年目で勝手がわかっているし、選手の気持ちもわかる。首脳陣との架け橋になってくれるだろうし、バッティングのことは去年から常に聞いているけど、相手のことも、自分のバッティングも言語化して教えるのが上手い。指導面でも期待しています。
- 優勝のために必要なことはなんだと思いますか?
柿崎:メンバーも変わって、練習生も多く、競争もあって、去年より結果を出す事が求められているという考え方をチームに広げていければと思っています。
桂川:優勝のためにチームを引っ張っていけば、自ずといい結果、昨シーズンとは違う結果になると思います。昨シーズンは序盤に勝てなかったのですが、4月、5月にどれだけ勝てるかがチームとして大事。そこでいい勢いにのれるようにやっていきたい。
佐藤:今のメンバーで優勝を知っているのはカレオンしかいない。独立リーグでの優勝を知らないですし、僕としてはずっと負け越しているので、そのイメージは払しょくしたい。打線は打てるので心配はしていないけど、後半に点を取られて負けることが多かったので、そこをなんとかできれば優勝が見えてくると思います。
- ファンへメッセージをお願いします
柿崎:球団スタッフ、監督、コーチも含めて優勝目指しているので、熱い声援もらえたら嬉しいです。
佐藤:チームに来て一年目から「勝ちたい、強い神奈川を見せたい」と言い続けているが、それができていません。三年目の正直で、優勝してファンの皆さんと喜びたいです。
安里:試合では真っすぐと、負けない気持ちを見てほしいです。
齋藤:大学まで神奈川でプレーしていて、地元に恩返しをするため、チームに貢献してファンを増やせる選手になりたいという気持ちが強いです。NPB入りを達成できるように一年間がんばります。
桂川:同世代の神奈川のいい選手が揃って、優勝が狙えるチームになりました。一緒にチームを引っ張って、自分もNPB入り勝ち取りたいです。
〇柿崎颯馬
1999年12月1日生まれ。平塚市出身。内野手。
吉沢小学校時代は、秦野リトル・横浜DeNAベイスターズジュニア等でプレー。
土沢中学校時代は横浜緑シニアに所属。桐蔭学園高校に進み、卒業後は社会人野球・JFE東日本でプレー。
2022年より神奈川フューチャードリームスでプレー。
〇桂川弘貴
1999年7月9日生まれ。横浜市栄区出身。内野手。
桜井小学校時代はオール上郷、本郷中学校時代は湘南ボーイズに所属。
桐光学園高校に進み、立正大学に進学後は主将も務める。
社会人野球・YBS播磨を経て2023年より神奈川フューチャードリームスでプレー。
齋藤健成とは高校時代の同級生。
〇齋藤健成
1999年11月8生まれ。茅ヶ崎市出身。外野手。
柳島小学校時代は藤沢リトル、中島中学校時代は横浜泉中央ボーイズに所属し、WBSC U-15ワールドカップ日本代表に選出。
桐光学園高校、東海大学を経て社会人野球・西濃運輸でプレーし、都市対抗・日本選手権を経験。
2024年より神奈川フューチャードリームスでプレー。
桂川弘貴とは高校時代、安里海とは大学時代の同級生。
〇安里海
1999年11月8生まれ。沖縄県出身。投手。
沖縄・美東中学校から東海大相模高校で1年生時から登板を経験。東海大学へ進学後はリーグ戦優勝5回を経験し、リーグ戦最優秀投手賞も受賞。
社会人野球・日立製作所で2年間プレーし、2024年より神奈川フューチャードリームスでプレー。
佐藤燎とは高校時代、齋藤健成とは大学時代の同級生。
〇佐藤燎
1999年7月28生まれ。埼玉県出身。外野手。
新栄中学校では浦和シニアでプレーし、東海大相模高校へ進む。流通経済大学へ進学後は主将を務め、リーグ戦打点王を受賞。
2022年より神奈川フューチャードリームスでプレー。
安里海とは高校時代の同級生。
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