「雫石さん!明後日メキシコに行くことになりました!」
突然の連絡。送り主は四国アイランドリーグplus 高知ファイティングドッグスの平間凛太郎 投手。
150キロ超のストレートと、縦に大きく割れるカーブが武器の右の本格派です。
彼とは年齢が近いということもあり(私が1歳上の28歳)取材などでも大変お世話になっていました。
2020年の春、彼はNPB入りを目指して高知へやってきました。社会人野球チーム東海REXを退社しての挑戦。
しかし新型コロナの影響で1年目は思うように練習や試合も出来ず、歯痒いシーズンに。NPBのドラフト指名ともならず2年目を迎えます。
チームの守護神として圧倒的な数字を残すも再び指名はありませんでした。3年目の今シーズンは先発に転向、エースとしてチームを前期優勝に導きました。
そしてメキシコの名門「メキシコシティ レッドデビルズ」への移籍。
旅立つ当日、平間投手を高知龍馬空港まで送っていきました。道中の車の中は平間投手に怒涛の質問。笑
今回の経緯や心境、独立で感じたこと、社会人で考えていたこと、ありのまま答えてくれました。
彼を突き動かしているのは「野球が好き」という気持ちと「諦めない信念」だと感じました。
「独立リーグからメキシコに渡って活躍できる訳が無い」と、周囲の辛辣な意見を耳にする機会もあったようです。
でも彼はそんなことを気にする男ではありません。「持ち物はグローブとスパイクと最低限の洋服だけです。野球にかけてます。茂野吾郎みたいですね!」
と自身を人気マンガの主人公に例えたようなジョークも交えつつ、にこやかに話をしてくれました。
成功する保証は確かにないけれど、やってみないとわからない。失敗を恐れていたら何も始まらない。平間投手から私が教わったことです。
メキシコへ着いた2、3日後、いきなり先発をし6回無失点で勝利投手となりました。
「メキシカンドリームを掴んだ日本のサムライ」というビッグニュースが日本に届く日はもうすぐかもしれない。
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