2026年2月の第60回スーパーボウルのハーフタイムショーに、プエルトリコ出身のラテン音楽アーティスト、バッド・バニーが出演することが発表されました。彼は反トランプ、反移民政策の立場を公言し、保守派から強く批判されています。
バッド・バニーは、トランプ大統領の移民政策に批判的な立場を取っており、過去にはアメリカ本土でのツアーを避けるなどの行動をとってきました。彼の音楽はスペイン語で歌われ、性別にとらわれないファッションスタイルでも知られています。これらの要素が、特に保守派から「アメリカの価値観に反する」として批判の対象となっています。
アメリカ合衆国下院議長マイク・ジョンソンは、バッド・バニーの起用を「ひどい選択だ」と批判し、代わりに愛国的なカントリー歌手リー・グリーンウッドを提案しました。ジョンソン氏は、バッド・バニーが「より広い聴衆にアピールしない」と述べています。
ドナルド・トランプ前大統領も「全く聞いたことがない」と述べ、NFLの選択を「絶対に馬鹿げている」と非難しています。
注目すべきは、前回の第59回スーパーボウルでのNFLの政治に対する方向の変化ですです。NFLは当時、エンドゾーンに掲げられていた「End Racism(人種差別を終わらせよう)」のメッセージを外し、「Choose Love(愛を選ぼう)」に変更しました。保守派からは「トランプ政権への配慮」と受け取られ、NFLが政治的に傾いたと指摘されました。
今回、バッド・バニーの起用とともに「End Racism」の文字が復活する動きは、NFLが多様性のメッセージを再び前面に出し、トランプ政権以前の姿勢に戻そうとしているようにも見えます。この流れがどのように起きたのか、そのメカニズムは私には明確にはわかりません。しかし非常に興味深い現象です。
重要なのは、
スポーツと政治は切り離せない
ということです。選手やリーグのメッセージ、出演者の立場は必ず社会的・政治的文脈と結びつきます。スーパーボウルという舞台は、その象徴的な場であり、今回の動きはそのことを改めて私たちにそう思わせているように感じます。