はじめに
東北社会人サッカーリーグで第1回から所属し続ける岩手の古豪・盛岡ゼブラ。半世紀近いリーグ史においてライバル対決も多々ありました。古くは新日鉄(現日本製鉄)釜石、平成になって(いわて)グルージャ盛岡、そして今このリーグでライバルとなるのがFCガンジュ岩手です。
FCガンジュ岩手の設立は2007年。実はグルージャのスタッフの一部がクラブ運営を巡り脱退して作ったのが始まりで、その時の監督は先の天皇杯埼玉県代表となった東京国際大学FC監督の武藤真一さんでした。そして設立初年度から岩手県選手権(天皇杯予選)で激突、力の差を見せつけられました。
あれから15年、近年は互角の戦いを展開する両チーム。2013年にガンジュが東北1部に昇格してからの成績はガンジュの5勝、ゼブラの3勝、2016年には岩手国体期間中に試合が行われ1-1の引き分け。ただガンジュは2014,2015と東北1部連覇してますから、その時代を差し引くとゼブラの3勝2敗1分けとなります。ちなみに「月曜から夜ふかし」で放映された2018年は2-0でガンジュが勝ちました。
10回目の対決!&スタメン発表
6月12日、いわぎんスタジアムで盛岡ゼブラ対ガンジュ岩手の試合が行われました。今回が東北リーグで10度目の対決、節目の一戦は両チームにとって意味を持つ試合になりました。
盛岡ゼブラとしては、前節1-5でFC仙台に惨敗を喫した次の試合。何とか勝ち点3をつかみ取って上位戦線に踏みとどまりたいところです。対するガンジュ岩手は開幕3連敗、以前書いた「2強」のブランデュー弘前、コバルトーレ女川と対戦したから仕方ないですが、前節日本製鉄釜石に早い時間に先制点を許して結果1-2で負けました。勝って連敗ストップと行きたいところでしょうか?
この日のスタメンは以下のようになっていました。
GK 熊谷蘭丸
DF 上山愛史 岡田祐政 鹿村祥平 林 勇介
MF 益子義浩 薄井朋也 中村 勝 森川龍誠
FW 谷村憲一 岩舘貴紀
林勇介がLSB(左サイドバック)でベテラン岩舘がFWという形。控えには前節欠場した山谷紘大、前節はスタメンだった加藤浩史もいます。
対するガンジュ岩手、GKは本来の正GK藤原真之介、FW熊谷紋司にMF熊谷心真の兄弟(兄の紋司は不来方高校~富士大学~ヴァンラーレ八戸~コバルトーレ女川。弟の心真は盛岡中央高校~富士大学卒業後入団、2017年リーグ得点王)、中盤には熊谷心真のほか盛岡ゼブラ在籍歴もある的場大治や二列目の佐藤史門、牧野純己がゼブラを迎え撃つ布陣です。
前半戦
前半戦はガンジュのキックオフ。ガンジュは追い風に乗って立ち上がりから攻めていきますが、むしろ風に流されていきフィニッシュまでいけません。ゼブラも谷村を軸に攻め上がるところ、ガンジュの4バックに阻まれました。風が落ち着いてきた15分過ぎからはガンジュが再三シュートを放つものの、枠を捉えられません。
飲水タイムの明けた24分、ゼブラは早くも岩舘を下げて加藤を投入します。その直後ゼブラはFKを獲得、そのキックの後で谷村がダウンしましたがレフリーは流してしまいます。その後ガンジュが佐藤のシュート、これは熊谷蘭丸が取りました。
そんな中、38分にゼブラが谷村からのパスを中村が受けてシュート!これが決まってゼブラ先制です。中村はゼブラ移籍後初ゴール、さらにこの日は33歳のバースデーということで喜びも倍以上だったことでしょう。
さらに中村は40分に谷村からのパスを加藤がつなぎ…というところでシュートを放ちますがこれは左へ。こうして前半は1-0で盛岡ゼブラがリードしました。
後半戦
ゼブラがリードして迎えたこの試合、後半はいきなり波乱の展開になりました。
ガンジュが的場のパスを起点に右サイドにいた山元へパス。エリア内でワンツーパスを受けて最後は熊谷心真のゴール、これで同点に追いつきました。
ここからガンジュが逆転に向けて仕掛けてきますが、熊谷蘭丸の身を挺した守備もあってゼブラもゴールを割らせません。しかし次の1点はなんとゼブラに生まれました!
70分、CKからのセカンドボールをキッカー林が拾い上げゴール前へクロス!これを藤原が取りに行ったものの益子が押し込みゴールイン。ゼブラが勝ち越しに成功しました。
しかし4連敗するわけにはいかないガンジュもここから攻勢を仕掛けます。牧野のドリブルから得たFKを足掛かりにCKをゲット、このボールに的場のミドルシュートですがバーの上へ飛びました。
ゼブラも勝ち越した後に山谷が登場。もう1点を狙う構えに出ました。ガンジュのセットプレーからのカウンターでチャンスを伺いますが、ガンジュの必死の守りに阻まれました。
そしてガンジュは右サイドに回り込んだ熊谷紋司のクロスを熊谷心真が頭で合わせてゴール、ガンジュが再度同点に追いついてしまいました。
その後ゼブラはガンジュの猛攻をしのぎ、DFの間隙を縫って加藤が勝ち越し…と思われましたがこれは残念ながらオフサイド。さらに終了間際に谷村がシュートを放つも右に外れてしまい、ついに三度の勝ち越しゴールは生まれませんでした。
試合終了、そして…
結局試合は2-2で引き分け。お互いもったいない「勝ち点マイナス2」だったというファンの声も聞きましたが、ガンジュは追い風の前半に先制点が取れていたら勝てたと思いますし、ゼブラは前半に中村がもう1点決めていればそのまま押し切れましたね。
余談ですが、2018年にはゼブラ正GKで、「月曜から夜ふかし」にも出たGK小赤澤啓太がなんとフィールドユニで姿を見せていました。実はGKなのにMFで試合に出てゴールを決めたことがあるんです。
当時の映像をどうぞ。
次週、ゼブラはFCプリメーロと福島県鏡石町の鳥見山公園で試合です。一方のガンジュ岩手はいわぎんスタジアムで大宮クラブと対戦、次節こそ初勝利なりますか?
齊藤晃からお知らせ
最後にお知らせです。
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