アメリカンフットボールの世界では、身体能力だけでなく「精神の力」も勝敗を大きく左右します。そんな中、NFLの2年目QB(クォーターバック)、J.J.マッカーシー(ミネソタ・バイキングス)は、毎日、そして試合前に行う習慣を持っています。それがマインドフルネス、瞑想や呼吸法で心を整える方法です。
パンデミックと心の不調からの出発点
マッカーシーがマインドフルネスを始めたのは、NFLに入ってからではありません。高校時代、ちょうどパンデミックの影響で友人や仲間と会えなくなり、孤独感やうつ的な状態に悩まされたとそうです。
そのときに出会ったのがマインドフルネスでした。呼吸に集中し、今この瞬間に意識を戻すこと。それによって不安や過去の失敗にとらわれすぎないようになり、心が少しずつ軽くなっていったそうです。
効果① メンタル不調の克服
マインドフルネスの一つの効用は、心の安定を取り戻すことです。マッカーシーにとって、それはまさに「自分を支える基盤」でした。精神的に苦しいとき、静かに目を閉じて呼吸に意識を向けることで、少なくとも数分間は安心感を得られる。そこから再び立ち上がる力を取り戻すことができたのです。
これは自分をメンタル不調から守る「守りのマインドフルネス」と言えるでしょう。
効果② 集中力の向上とパフォーマンス強化
そして現在、彼がNFLのフィールドで実践しているのは、集中力を高めるためのマインドフルネスです。試合前のロッカールームやフィールドで、雑念を払い、自分の呼吸だけに集中する時間を持ちます。
外部のプレッシャーや観客の大歓声をシャットアウトし、目の前のプレーに意識を集中する準備をするのです。これは、トップアスリートとして最高のパフォーマンスを発揮するために欠かせないルーティンになっています。
こちらは自分の力を最大限に発揮するための「攻めのマインドフルネス」と言えるでしょう。
マッカーシーは「マインドフルネスの教科書」
こうして見てみると、マッカーシーはマインドフルネスが持つ2つの効果──
- メンタル不調の克服
- 集中力の向上による生産性強化
──の両方を体現している存在です。
マッカーシーはマインドフルネスを実践して、ミシガン大学時代に母校を全米王座に導きました。
精神的な苦境から立ち直る力を与えてくれると同時に、試合で力を出し切るための集中モードをつくる。まさに「マインドフルネスの生きる教科書」と言えるでしょう。
私たちにとってのヒント
もちろん、私たちはNFLでプレーするわけではありません。でも、日常生活や仕事においても、マッカーシーの実践は大きなヒントになります。
不安やストレスで押しつぶされそうになったとき。あるいは、ここ一番で集中したいとき。ほんの数分間、呼吸に意識を向けるだけで、心は驚くほど整うことがあります。
まとめ
NFLのフィールドで、これから輝くであろう新星QB、J.J.マッカーシー。その裏には、パンデミックから学んだ「心を整える技術」があります。
マインドフルネスは特別な人だけのものではなく、誰にでも開かれたシンプルな方法です。私たちもマッカーシーのように、日々の生活に取り入れてみる価値があるのではないでしょうか。
なお私は3年前から、仕事のある日の朝はマインドフルネスを行っています。