2027年シーズンから、セ・リーグにDH(指名打者)制が導入されることになりました。高校野球は来春のセンバツから、他にも東京六大学や関西学生リーグもDH制を採用することを決めており、野球の歴史が大きく変わる瞬間ともいえます。
DH制にすることによるメリット、デメリットはあると思いますが、私はDH制に賛成です。飛躍した妄想であり、大袈裟かもしれませんが、ちょっぴり怖い未来を想像していたからです。
それは、現状より打撃経験の少ない投手がセ・リーグ球団に入団し、打席に立つことです。
時に豪快な打撃をみせる投手もいますが、犠打を求められる機会も多い投手の打席。チャンスを拡大し、その後味方が得点を奪うことで自らを助けることになります。
ただ、アマチュア球界でDH制の導入が広がる今、数年後もDH制のないセ・リーグで戦うことになったらどうなるでしょう。いきなりプロの球を相手に犠打を決めたり、場合によってはスクイズを決めたりしなければいけません。
今夏の甲子園出場を決めた横浜高・奥村頼人投手や、山梨学院高の菰田陽生投手のような投打に優れた力を持つ選手もいますが、DH制の導入によって今以上に打撃経験の少ない投手が増える可能性があります。そんな選手達がいきなりプロ相手に自分の役割を果たせ、と求められるのは酷な話だと思います。
打つ気がなく、チームの戦略として打席の隅に立っているだけ、という場面も増えたかもしれません。その作戦を否定するつもりはありませんが、お金を払って試合を見ている側の一方的な意見とすれば、何とも言えない気持ちにもなります。
先発投手が降板後もDHとして出場できる「大谷ルール」が適用されるということで、二刀流に挑む選手の未来を摘んでしまうことは少ないと私は考えています。
これまで築き上げてきた伝統が崩れることにはなりますが、アマチュア球界の流れを考えると、私はセ・リーグのDH制導入に賛成です。