記事のポイント
・横浜F・マリノスがスティーブ・ホーランド監督を解任
・後任は豪出身パトリック・キスノーボHCが暫定指揮へ
・J1では開幕11戦で1勝、ACL前にクラブが異例の決断
・清水戦での逆転負けが解任の決定打に
・クラブ幹部は「プロジェクトの失敗」を認める会見
ホーランド体制に終止符、苦境の横浜FMが決断
J1リーグで18位に沈む横浜F・マリノスが、スティーブ・ホーランド監督の解任を発表した。4月18日、クラブは公式にその決定を公表し、後任にはヘッドコーチのパトリック・キスノーボ氏が暫定的に指揮を執る体制となる。ホーランド監督は就任からわずか3カ月。開幕11試合で1勝5分け5敗という成績により、シーズン途中での電撃的な交代劇となった。
クラブはACLエリート（ACLE）で準々決勝進出という明るい材料を持ちながらも、J1では長らく勝利から遠ざかっていた。中でも、4月16日の第12節・清水エスパルス戦では2点をリードしながら後半に3失点し、逆転負けを喫したことが、クラブ首脳陣にとって決定的な要因となった。
采配・言葉・戦術に疑問、現場の不信感が限界に
ホーランド体制の問題点
ホーランド氏はチェルシーやイングランド代表でのアシスタント経験を経て、今季初めて監督職に就いた。しかし、戦術の明確さや試合中の采配、さらには選手たちとのコミュニケーションに問題が多く指摘されていた。
開幕戦では準備されていない4バックへの途中変更が混乱を招き、清水戦では失点を重ねるまで交代カードを切らないなど、采配に対する不信感がチーム内に蔓延。さらに試合後の会見では「前半で終わっていれば勝てた」という“たられば”発言もあり、指揮官としての求心力を失っていたとされる。
フロントも反省、クラブのビジョンと現実のギャップ
スポーティング・ダイレクターの西野努氏は会見で「このプロジェクトは失敗だった」と認めた。新監督選定については「日本人でも外国人でもこだわらない。アタッキングフットボールを実現できる人物を」と明言。失敗からの教訓を次にどう活かすかが、クラブ再建の鍵となる。
キスノーボ体制に託された再起への一歩
豪代表出身の暫定指揮官
暫定的に指揮を執るキスノーボ氏は、オーストラリア代表DFとしてプレミアリーグでも活躍し、指導者としてもメルボルン・シティなどで経験を積んできた人物。今季から横浜のヘッドコーチに就任し、UEFA Proライセンスも保有するなど資格面でも問題はない。
浦和戦（4月20日）を経て、横浜FMはACL準々決勝でサウジアラビアのアル・ナスルと対戦。ロナウド、マネら世界的選手を擁する相手に、新体制がどこまで戦えるのか注目が集まる。
まとめ
横浜F・マリノスのスティーブ・ホーランド監督電撃解任は、ACL準々決勝を前にした異例の決断だった。チーム状況、戦術理解の乏しさ、選手起用の遅さなど、問題が山積する中で、フロントは早期の刷新を選択。暫定的に指揮を執るキスノーボ氏の下、20日の浦和戦から新たなスタートを切る。求められるのは「アタッキングフットボール」の再構築と、再び頂点を目指す戦う姿勢だ。
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