稲本潤一選手兼コーチ就任「今までのキャリアとはまた違う角度でサッカーに関われることを嬉しく思う」
来季、風間八宏氏が新監督に就任することで注目の南葛SCにもう一つ大きなニュースが飛び込んできた。
先日テクノプラザかつしかで行われたSGC・南葛SCの合同記者発表会にて稲本潤一選手が選手兼コーチ就任を発表するとのことでウルスポも出席。その経緯や今後について色々と伺った。
稲本選手は冒頭で
「稲本潤一です。この度選手兼コーチ就任させていただきました。今までのキャリアとはまた違う角度で、サッカーに関われることを嬉しく思いますし、その関わり方で南葛が強くなれるよう、新しく監督になる風間さんを筆頭に頑張っていきたい」
と挨拶
岩本GMが稲本選手の選手兼コーチ就任の経緯を説明
「稲本潤一選手兼コーチが誕生したのは、9月に風間八宏新監督兼TDと監督就任の交渉をしOKをもらい、その後コーチ陣の編成を聞いた時に、『来季イナは選手やりたがっているの?』との話が。今季も怪我がありながら1/3くらい出場しています。と私が答えると『選手はもちろんやってもらうけどコーチと兼任はどうだろう?』との提案が。風間監督と稲本選手は川崎時代もやっていますし、風間さんが希望してCBにコンバートしたこともあった。2002年W杯出場で唯一の現役選手である稲本潤一にできる限り頑張って欲しいと思っている。この前もイベントで稲本が『まだここから上手くなれる』とコメントしていたので、風間さんの元で稲本潤一の全盛期を見せて欲しいと思っている」
2002年W杯出場で唯一の現役選手である稲本選手。風間新監督は選手としてもコーチとしても、川崎時代に共に戦った彼に対する期待は高い。
その後は質疑応答に移ったので余すことなく取り上げたい。
質疑応答
ーコーチ兼任になりどのような指導者になりたい?
「まずは南葛でのコーチ業となると、普段から選手達に言っていることを繰り返すことになると思いますし、風間さんと再会するのは約10年ぶりとなりますが、風間さんのサッカーをクラブで体現できているのはクラブで2,3人しかいない。その中で風間さんのサッカーを選手達に伝えていく。プレーヤーと監督の間に立てるような存在になれたらいいなとは思っていて、それで南葛がより強くなる方向へ自分が力を貸していければ良いなと思っている。ゆくゆくは指導者の道を考えていますが、今のところまだそこまで考える余裕がなく、プレーヤーでどこまで上手くなれるか。風間さんが来たことにより南葛の選手も、これから入ってくる選手も今後確実に上手くなっていくと思うので、上手くなった選手をどのようにして勝てるチームにするのかをコーチとして皆さんへ伝えていけたら」
ー黄金世代の仲間が引退する中、現役を続ける思い
「これだけ今年いなくなるのは寂しく思いますし、もしかしたら南葛に来たら続けられた選手もいたかもしれない。寂しく思うがそれぞれのサッカー人生、サッカー観があるので、辞めるっていう決断をした彼らの意思を尊重したい。僕自身はまだまだ辞めるつもりもないですし、サッカーが楽しい、サッカーが上手くなりたいという気持ちが年齢を重ねるにつれ増していっている。黄金世代でとか年齢とかは関係なく、自分が納得するまでサッカーを続けられれば」
ー同じく現役を続ける遠藤選手にライバル心は?
「ライバルという年齢ではなくなってきていますが、僕とは違うステージで彼はやっているので、より厳しい所でやっている所はリスペクトする部分でもありますし、彼が活躍することで刺激も受けます。もちろん、今年引退した選手が活躍するのも刺激になりました。引退した彼らが次のステージでどう活躍するかも僕にとっては刺激になる」
試合後の囲み取材も公開で行われたのでその模様も付け加える。
ーオファーの心境は?
「基本的にプレーヤーをやる中で、指導をする。やりながらですね」
ー風間新監督スタイルの浸透には時間がかかるのでは?
「なかなか難しいとは思いますが、この2年関東リーグを見てきて勢いがあったり、元気な選手がいるチームの方がより強さは発揮できるリーグだと思っている。その中である程度メンバーも変わってくるとは思いますし、その中で若さや技術を出せるようなチームになれば良いと思っている」
ー風間監督について
「色々な指導者の元でやってきて、風間さんは自分の中で貴重な出会いの指導者だったと思うので、もっと若い時に出会っていたらとも思いましたし、それを遅いと感じるか、再び9年ぶりに出会って幸運だと感じるかは自分次第だと思う。もう一つ上、もっと上手くなれると思いますし、僕自身も風間さんから指導を受けることを楽しみにしていますし、その指導を受けたことを伝えることは改めて自分の中で重要な部分だと思って来季楽しみにしています」
ー風間監督と歴代の監督との違い
「止めて蹴るという部分でより細かく噛み砕いた指導を9年前はしていた。9年経ってどうなったかはわからないが、より進化をしていると思うので、変わった部分は楽しみですし、もっともっと上手くなっていけるかなと思う」
ーキャリアを重ねた楽しさや気付きは?
「やはり動けなくなってくると、人を使うことであったり、考えることをよりやっていかないと、試合にも出られないしチームに貢献できない。ってなってきている中で、技術が大事だし、技術が上手くなってきていることを実感できる。体が動かなくなってきてからがサッカーの深さだというのが滲み出てきているかと思うし、それが楽しくなってきている」
ご自身のキャリアについてはどう思うか?
「今いる場所でどうするかが自分にとって重要だと思っているので、どこで求めてくれているかがサッカー人生においても重要。そこでどうするかは自分次第だと思いますし、力を貸して欲しいと言っていただけるクラブがあるのは自分にとって幸せなこと。そこで幸せを噛み締めてやっていますし、南葛というのはより高い理想の中でやっています。そう感じたから風間さんも来たと思いますし、その中でできる僕は幸運だなと思っている。どう輝けて貢献できるかという部分にカテゴリーは関係ない。このキャリアは幸運だと思っている」
ー同じ1979年生まれで引退した小野伸二、高原直泰の引退について
「彼らとは15歳の時から一緒で、意識してない訳はない。お互いを意識しながら日本サッカー界を支えてきた存在だと思うので寂しいですが、自分の中で納得して引退していると思うので。お疲れ様ですと、彼らに出会えたことは幸運であったと思うのでありがとうと言いたい」
ー彼らからはどんな刺激を受けたか?
「常に上を目指すスタイルで、あいつがやっているから俺も頑張ろうと意識して。それがライバルというか刺激になる。お互いが上がっていった年代で、彼らと共にお互いがリスペクトし合っていた存在だと思う」
現役へのこだわりは強いが、選手と監督の橋渡し役を買って出た稲本選手兼コーチ。南葛SC創立10周年。9年ぶりとなる風間新監督x稲本選手兼コーチのコラボに期待したい。
なお、この日は10周年記念の3rdユニフォームを披露。
「あっという間の10年だったなあと。南葛SCは一歩ずつ工夫を続けて参りまして、色々な方々に認知していただき、だいぶ応援してくれる方も増えてきたなあ」
と、オーナーの高橋陽一氏も感慨深げにコメント。10周年ユニフォームに大空翼のイラストとサインを入れた。
また、この記者会見は金製品の製造・販売や貴金属の買取り業務を行う株式会社 SGCとパートナー締結を結ぶ会見でもあった。快活な方で
「黄金の伝説時代を築いた稲本選手に会えるということで興奮しており、何とか応援して協力できないかなと。息子が高橋陽一先生の大ファンでこの縁を大切にして何か恩返しできないかと。南葛さんがずっと黄金で輝き続けることができればと思い今回スポンサードさせていただいた」(SGC・土屋会長)
と、その思いも強い。
早速、来季から純金のエンブレムを来場者の中から抽選で1名様にプレゼントすることが決まり、さらには大空翼の等身大純金像や新小岩に予定されているサッカースタジアムの模型を純金で作る計画などアイディアは膨らむ。
南葛SCはまだまだ大きなクラブになる可能性を秘めている。
ウルスポでは今回の記者会見まとめをYouTube:shortsにて公開!お楽しみに!!
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