ラグビーワールドカップ2023の真っ最中に、この記事を書いています。
「ラグビーとアメリカンフットボールはどこが違うのか」
と言うことを、アメフト選手や経験者はよく尋ねられるそうです。
昨シーズンまでアメフトをプレーしていたタレントのコージさん(旧コージ・トクダさん)も
「いやになるぐらい尋ねられた」
と語っていました。
10年ほど前、
「英語とビジネス英語はラグビーとアメフトくらいルールが違う」
と言う電車広告が、ちょっとした話題になりました。
あくまでも英会話教室の広告ですが、この言葉だけ切り取ると
ずいぶんと違うものなんだな
と感じました。
しかし、やっぱり似ている点は多いと思います。
どちらも相手陣地にボールを持ち込むと得点(トライまたはタッチダウン)となり、その後にボーナスポイントのキックがあります。
トライやタッチダウンの後ではなくても、ボールを地面においてキックして、ゴールバーの間に通すと得点になります(ペナルティゴールまたはフィールドゴール)。
今回はこの2つのスポーツに共通するプレーで、
多分あまり知られていないもの
を書きます。
1. ドロップゴール
「ドロップゴール」はラグビーの用語で、アメフトではドロップキックと言います。
どちらも、ボールを足元に落として(ドロップして)、そのボールを蹴って、ゴールポストのバーの間を通過させるものです。
成功すると、どちらでも3点が入ります。
ラグビーワールドカップ2023では、9月25日現在で、全24試合で5回決まっています。
珍しいプレーではありますが、これがアメフトになると、まずお目にかかれないプレーです。
何しろ、米アメリカンフットボールリーグのNFLでは、最後に成功したのが2006年1月のことで、その前になると1941年までさかのぼらねばなりません。
それぐらいアメフトでは珍しいプレーです。
2. フェアキャッチキック
ラグビーにもアメフトにも
「フェアキャッチ」
と言うプレーがあります。
ラグビーの場合、相手が蹴ったボールを自陣の22メートルラインの内側でノーバウンドで捕球し、同時に「マーク」と審判に聞こえるように叫ぶことで、フェアキャッチとなります。
その地点でボールを捕った選手に、フリーキックの権利が与えられます。
アメフトの場合は、片手を頭上にあげて左右に大きく振る合図をしてから捕球すると「フェアキャッチ」になります。
フェアキャッチしたチームは、その地点からオフェンスを始めます。
これは全然珍しいことではありませんが…
実はアメフトでも、フェアキャッチの後にフリーキックをすることも認められています。
フェアキャッチした地点からキックして、直接ゴール(3点)を狙うこともできます。
これを「フェアキャッチキック」と言います。
ただし、これもドロップキック同様に滅多に行われません。
100年以上の歴史を誇るNFLですが、この間フェアキャッチキックが行われたのは26回だけです。
(記録に残っていないものもあるかもしれません)
最後にフェアキャッチキックが行われたのは2019年シーズンでしたが、この時は失敗。
成功したのは1976年が最後でした。
ドロップゴール(ドロップキック)やフェアキャッチキックがアメリカンフットボールでは滅多にないのには理由があります。
ドロップキックは、「行う理由」がありません。
普通に地面にボールを置いて蹴った方が成功率は高いですし。
2006年にそれが行われたのは、蹴った選手がこの試合を最後に引退するから、「記念」でしょう。
フェアキャッチキックは「行わねばいけない状況」がものすごく限られています。
前半、または試合終了まで数秒しかなく、なおかつ最長でも50ヤード付近あたりでフェアキャッチが行われた場合に限られますので。
私はラグビーではドロップゴールもフェアキャッチの後のキックも、観に行った試合で見たことがありますが、アメフトでとなると、観に行った試合ではもちろん、テレビ中継やネット配信でも生で見たことはないです。
いつかお目にかかれたら、話のタネになるので期待しているんですが…
コメント