先日、行われた埼玉県高校野球の春季大会。まずは地区大会からピックアップマッチの原稿や写真を紹介する。
熊谷工業 5 – 3 熊谷
8回一挙5得点、熊谷工が逆転で初戦突破!!
今年も春季大会が始まった。この日は昨秋躍進した北部地区予選の試合を取材するため熊谷公園球場へ。前日から4月中旬とは思えないほど気温が上がり、この日の最高気温も25度を超えた。いきなりの気温上昇は当然、選手達に影響が出る。この日の展開もそうであった。
まずはスタメン。熊谷は昨秋から大幅に変更している。秋1番の秋山 椋(3年)と秋3番の新道 隼人(3年)が入れ替わり、秋5番の鳥越 隼人(3年)が4番に上がる。秋4番の竹間 康晟(3年)は7番に下がり、5番には上松 武尊(2年)が入る。6番には秋8番の鈴木 光介(2年)が上がり、秋6番の氏家 大翔(3年)が8番に入る。
先発は熊谷が昨夏の経験も豊富な竹間、熊谷工が右サイドの木島 亮太(3年)と両エースが先発し試合が始まる。試合前半は熊谷ペースで試合が進む。
先制したのは熊谷であった。
3回裏、1死から1番・新道が左中間へ三塁打を放ち出塁すると、2死後、3番・秋山も死球で出塁し二死一、三塁とする。ここで4番・鳥越が右前適時打を放ち熊谷が1点を先制する。
熊谷は5回裏にも、この回先頭の新道が右前へポトリと落ちる安打を放ち出塁すると、続く吉野がきっちりと送り一死二塁とする。さらに、3番・秋山が左前安打を放ち一死一、三塁とチャンスを広げると、続く鳥越が中越えの2点適時二塁打を放ち3点差をつける。
投げては熊谷・竹間が変化球をうまく交ぜ熊谷工打線に的を絞らせない。
だが迎えた8回表、この回やや疲れが見え始めた熊谷・竹間が、この回先頭の新井 大和(2年)、続く岡田 侑大(3年)に対し、ともに3ボールにするなど突如乱れる。
対する熊谷工は、4月に就任した新国監督が選手達へ、「基本見送っちゃう子が多いので、振っていかないと四球も奪えない。点差あるし全員打つしかないぞと。そういう集中力を持った子が多いので」と、発破をかける。
それを実践しようとする熊谷工打線は、この回先頭の新井大が左前安打を放ち出塁すると、続く岡田もボール気味の球を強振すると打球は左前へポトリと落ちるヒットとなり無死一、二塁とする。さらに暴投で無死二、三塁とチャンスを広げると、2番・井内 翔太(2年)が中前へ2点適時打を放ち1点差とする。
勢いに乗る熊谷工は、続く松葉 海音(2年)が左前安打を放ち、再度無死一、二塁とすると、さらに暴投で無死二、三塁とチャンスを広げる。結局、4番・新井 渉(3年)も四球を選び、無死満塁と絶好の逆転機を迎える。1死後、6番・宮倉 稜玖(3年)の打球は二ゴロ併殺かと思われたが、ここで二塁手が二塁へ悪送球して熊谷工に2点が入り、ついに熊谷工が4対3と逆転に成功する。熊谷工はさらに2死後、8番・木島の三ゴロがタイムリーエラーとなるなど、熊谷工はこの回一挙5得点を奪い試合を一気にひっくり返す。
すると、それまで粘りの投球を見せていた熊谷工・木島が蘇り、9安打を浴びながらも9回を完投する。結局、熊谷工が終盤の逆転で5対3と熊谷に勝利し初戦を突破した。
まずは、熊谷工だが、この日はエース木島が良く投げた。打線は初戦の緊張感からか中盤まではやや消極的な打撃が目立ったが、終盤に開き直ったか一気の集中打は見事。結局2ケタ安打を放った。
一方の熊谷だが、試合中盤まではエースが抑え、4番が打つという素晴らしい試合運びであった。それだけに魔の8回となってしまったか。夏までにエース竹間のスタミナ面での課題と、内野の乱れがともに送球エラーであるだけに、まずはキャッチボールを大切にすることからスタートするべきではなかろうか。
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