【新たな歴史へ!】明治安田J3リーグ 福島ユナイテッドFC vs テゲバジャーロ宮崎

こんにちは、潤です!

今回は、今シーズン新たな歴史を作りながら直近の試合では苦戦が続く「福島ユナイテッドFC」、そして「テゲバジャーロ宮崎」両クラブの試合へ伺いましたのでその様子についてまとめてみました。

ぜひご覧ください!

目次

新たな歴史を作った両クラブ

突然ですが、1クラブが記録したJリーグ史上最多得点試合を皆さんご存知でしょうか?

それは、柏レイソルが2019年のJ2リーグ最終節で記録した「13-1」です。

柏レイソル得点者は、「オルンガ選手①、オルンガ選手②、瀬川祐輔選手①、オルンガ選手③、オルンガ選手④、クリスティアーノ選手①、オルンガ選手⑤、オルンガ選手⑥、クリスティアーノ選手②、オルンガ選手⑦、マテウス サヴィオ選手①、クリスティアーノ選手③、オルンガ選手⑧」

ハットトリックをしたはずのクリスティアーノ選手の印象が薄れるほどの活躍を見せたオルンガ選手の8得点や最終的なスコアは各所で取り上げられ記憶に残っている人も多いかと思います。

話が脱線しましたが、Jリーグ記録かつJ2記録がその「13-1」ですが、今年J3記録が塗り替えられた試合があります。その記録を樹立したのが「福島ユナイテッドFC」です。4月28日の第11節にて「9-0」を記録しました。

※なお、J1記録は1998年のジュビロ磐田が記録した「9-1」です。

直近まで7戦勝利なしと苦境に立たされていた福島でしたが、FW #7 塩浜遼選手が前半だけでハットトリックを記録するなどの活躍を見せ8戦ぶりの勝利をJ3新記録で達成しました。そんな新たな歴史を刻んだクラブはそこから5月の試合を全勝し、6月のリーグ戦も5試合中3試合で勝利をあげるなど明らかな上昇気流に乗りました。

ですが6月最終週に行われたギラヴァンツ北九州戦では、先制しながら前週にJ1のジュビロ磐田から加入した新戦力、藤原健介選手の加入後初ゴールを含む1ゴール1アシストの活躍を見せつけられて悔しい逆転負けを喫します。

そして迎えた翌節のFC今治戦。古巣戦での逆転負け、そして昨年ジュビロ磐田でチームメイトだった藤原選手の活躍を目の前で見せつけられた福島MF #17 針谷岳晃選手がプロ初ゴールを決めて再び先制に成功します!さらに”歴史的勝利”の立役者、塩浜選手の追加点もあって前半を2-0で折り返します。ですが後半立ち上がりに追いつかれると試合終盤に逆転を許し2試合連続での逆転負け。

続くY.S.C.C.横浜戦でもまさかの逆転負けを喫し、3試合とも先制しながら逆転を許す3連敗。「2024 J2昇格プレーオフ」出場圏内の6位以内はもちろん、J2自動昇格圏内の2位すら射程圏内だったクラブにとって足踏みが続く苦しい展開となってしまいました。

一方のテゲバジャーロ宮崎も今シーズン新たな歴史を作りました。それはクラブ史上初の公式戦でのJ1クラブへの勝利です。

2021年にJリーグ参入を決め、Jリーグでの歴史はまだ浅い宮崎。これまでまだJ3しか所属したことがなかった宮崎でしたが、6月に快挙を見せます。天皇杯2回戦でJ1のジュビロ磐田相手に先制を許しながら後半アディショナルタイムにMF #44 井上怜選手がPKを決めて勝利!クラブ史上初めてJ1クラブ相手にジャイアントキリングを達成しました。

そんなクラブにとって新たな歴史を生んだ宮崎でしたが、福島同様に直近の試合では苦戦が続いています。6月12日にジュビロ磐田に勝利をあげたものの、その後の公式戦6試合では勝利がなくJFLとの入れ替え回避のための残留争いを強いられています。

ジュビロ磐田戦以来の勝利へ、昨シーズン勝利を挙げたアウェイ福島の地での勝利を目指します。

再浮上へ、試合を優位に運んだのは…!

共に久しぶりの勝利を目指し、立ち上がりから積極的な姿勢を見せ相手ゴールに迫るプレーを見せます。

ですが、大学卒業後福島一筋だったDFでキャプテンの堂鼻起暉がシーズン途中で同県内のいわきFCへ移籍した緊急事態の中、直近のYS横浜戦からスタメンへ返り咲き、2試合連続でスタメン出場を果たしたDF #5 大森博選手も安定したプレーを見せて福島は先制を許しません。

一方の宮崎も直近の北九州戦で今季初出場を達成し、入れ替わりの激しいクラブの中で3年目を迎えているGK #21 清水羅偉選手がチームに落ち着きをもたらします。

両クラブともなかなかスタメン出場機会がなかった選手が安定感を見せる中、勢いで勝ったのは福島でした。

「3戦連続逆転負け」というと響きは良くありませんが、逆を言えば得点を奪えているという証左にもなります。(なおかつ今回の場合、福島は全3試合で先制にも成功しています)

清水選手が落ち着いたプレーを見せていてもその一歩上をいったのがMF #13 宮崎智彦選手でした!シーズン序盤は先発機会が少なかったものの7月から副キャプテンにも就任し、直近のYS横浜戦からスタメン復帰をした経験豊富なベテラン選手がコントロールシュートでゴールネットを揺らし福島が先制点を奪います!

1点のリードでは十分ではない。それをこの3試合嫌というほど味わってきたスタンスを変えることはせず、2点目を狙いにいきます。そんな姿勢がすぐに実ります。18分の先制点から5分後、23分に左サイドをパスで崩して攻略するとマイナスのクロスに中で合わせたのはMF #17 針谷岳晃選手!

共にジュビロ磐田でもチームメイトだった”ジュビロ組”の2人が福島に2点をもたらします!

※ちなみにこの日は出場しませんでしたが、MF #6 秋山陽介選手も在籍しているため、ジュビロ磐田サポーターにとって馴染み深い選手が多いです。

ジュビロ磐田を破った宮崎に対し、ジュビロ組の躍動もあって2点を先制した福島。ここまで3試合連続逆転負けを許している中ではあるものの、勝利へ向け大きなリードを得て前半を終えます。

悪い流れを断ち切れたのは?

両クラブ共にメンバー交代をせず迎えた後半。

18:00試合開始で、直前までは雨予報もあった中晴れて気温も28.3℃と試合展開さながらの暑さもあったスタジアムも後半開始時には日が沈み照明も灯ります。

ナイター試合では各クラブ名物化しているペンライト演出も行われていて、そういった非日常感もまた現地観戦ならではの面白さがあるような気がします。

そしてピッチ内で照らされた両クラブのイレブン。円陣がとけると共に後半が始まります。

なかなか勝利が遠い宮崎。そしてリードしても守りきれない試合が続く福島。お互いに課題克服に向けた後半は、こう着状態が続きます。

すると60分を迎えたあたりから両クラブ攻撃的なカードを切ります。60分に福島が得点を挙げた針谷選手などを下げてFW登録の選手を3人投入すると、宮崎も62分に2枚替え。J1での出場歴もあるMF #50 安田虎士朗選手、そしてチームトップスコアラー8得点のFW #11 橋本啓吾選手をピッチへ送り出します。

選手交代を経てチャンスを作り出したのは宮崎でした。64分にコーナーキックの流れから混戦の中で安田選手がポスト直撃のシュートを放ちゴールの予感が生まれると、76分にはフリーキックの流れからFW #18 吉澤柊がクロスバー直撃のヘディングシュートもあり、点差を縮められそうな流れができます。

ですがここまでの3試合常に追いつかれた福島も守備陣が機能し、集中力を切らさずに失点を許さないでいると、一瞬の隙からチャンスを作ります!

後半アディショナルタイムにGK #1 吉丸絢梓選手のフィードからFW #19 清水一雅選手がスピードで競り勝ち左サイドを駆け上がるとたまらず前がかりになっていた宮崎DFがエリア内でファウル。終了間際に福島がPKのチャンスを得ます!

清水選手同様に途中交代で出場した頼れるベテランFW #40 樋口寛規選手が落ち着いて決めて勝負あり!

3-0で試合終了の笛を迎え、3試合連続逆転負けを喫していた福島が4試合ぶりの勝利!一方の宮崎はジュビロ磐田戦以来の勝利とはなりませんでした。

混戦のJ3を勝ち抜くために

4試合ぶりの勝利で順位を9位とした福島は「2024 J2昇格プレーオフ」出場圏内の6位とは勝ち点4差、そして自動昇格圏の2位とは勝ち点7差とクラブ史上初のJ2昇格へ向け、まだまだ射程圏内となりました。

前述の通り、福島はDFでキャプテンだった選手が移籍するという緊急事態の中での完封勝利。チーム一丸となってここからの再浮上に期待が高まります!

一方の宮崎は他会場の結果により19位へ順位を落とし、「J3・JFL入れ替え戦」参加の可能性もある歯がゆい展開を迎えています。

※JFLの最終順位で上位2位のクラブがそれぞれ「理事会においてJリーグ入会承認を得たJFLクラブ」だった場合、J3で19位だったクラブが「J3・JFL入れ替え戦」へ参加します。

ですが、そんな宮崎も現状打破の可能性は十分秘めているように感じます。福島戦後にはJ1の川崎フロンターレから永長鷹虎選手が育成型期限付き移籍加入し、純粋な戦力アップしたことはもちろん、チームの過半数が2000年代生まれと若い選手も多いチームだからこそ、福島戦でキャプテンマークを巻いていたJ2での実績もあって地元出身の中堅FW #13 北村知也選手などとのプレーの元で一気に化ける可能性を秘めています。

宮崎県内唯一のプロスポーツクラブとして地元宮崎からの注目度も高い選手たちが”プロ選手”として見られることで成長し、終盤にテゲバ旋風が巻き起こる。そんな未来を期待しています。

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みやざき潤のアバター みやざき潤 元TVディレクター・Jクラブスタッフ

Jリーグ観戦が趣味です。
発言は個人の見解となります。

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