どうもレインです!
ご存知の方も多いと思いますが、今年のF1は昨年までと比べてマシンの形状が大きく変わりました。
これは長年F1で禁止されてきた「グラウンドエフェクトカー」が今年のレギュレーションに採用されたからなのですが、こんな疑問もよく見られるようになりました。
- グラウンドエフェクトカーって何?
- 何で今年からグラウンドエフェクトカーになったの?
- グラウンドエフェクトカーは危険って聞いたけど大丈夫なの?
そもそもグラウンドエフェクトカーの導入は「レースを面白くするため」の施策なんです!
なので今回はこのあたりの疑問とともに、グラウンドエフェクトカー導入でなぜレースが面白くなるのかについて解説していこうと思います。
そもそもグラウンドエフェクトカーって何?
F1を初めとするレーシングカーは元々、ボディ取り付けられたウイングなどの空力パーツや、ボディ形状そのものによってマシンを路面に押さえつける力(=ダウンフォース)を発生させていましたが、
1970年代後半のF1で、マシンの底面をウイングのような形状にし、横から入り込む空気をサイドスカートで遮断することで、ボディ上の空力パーツに頼らずダウンフォースを発生させる方法を生み出します。
これがいわゆる「グラウンドエフェクトカー」の始まりで、この革命的な技術のおかげでF1マシンのスピードは向上し、多くのチームがその技術を競いましたが、80年代初頭にはその上がりすぎたスピードや、マシンの下面に空気が入り込むとコントロール不能に陥り危険性が指摘されたため、F1では長きに渡り禁止されることになってしまったのです。
当時のグラウンドエフェクトカーについて詳しい解説をYouTubeにアップしていますので、こちらも合わせてご覧ください
面白いレースを増やすためのグラウンドエフェクトカー復活
近年のF1では速さ追求した結果、マシンに装着される空力パーツの進化が著しく、その結果マシンの後方に酷い乱気流が発生している状況でした。
そのため、レースで接近戦になっても後方のマシンが乱気流のせいで前のマシンに近づくことができず(近づくと挙動を乱してしまう)レースの醍醐味であるバトルや追い抜きの減少につながっていました。
そのため、この乱気流を減らすためにF1側では空力パーツを規制して減らすことを考えますが、それだけではマシンが遅くなり、魅力が損なわれてしまいます。
そこで考案されたのが、マシン上ではなくマシン底面からダウンフォースを発生させ乱気流が少ないグラウンドエフェクトカーの復活というわけです。
マシン上の空力パーツを減らし、ダウンフォースの多くを底面から発生させることで乱気流を減らし、後ろのマシンが接近できるようにすることでバトルや追い抜きを増やそうという狙いですね。
実際に今年の開幕直後のレースでは接近戦が増えたことを実感された方も多かったようです。
安全性は大丈夫なの?
しかしここで最大の疑問が。
「危険だったから禁止されたのに復活させて大丈夫なの?」
実際に復活が決まった際も、グラウンドエフェクトカーの歴史や禁止の経緯を知るファンの方を中心に懸念の声が聞かれました。
しかし、これについては心配無用です。
かつてのグラウンドエフェクトカーはサイドスカートにより路面と車体の隙間を密閉することでより強力なダウンフォースを発生させていたため、車体の姿勢が変化して底面に空気が入り込む事でそれが失われ、マシンが挙動を乱したり、時には宙を舞ってしまうこともありました。
しかし、今年のF1で採用されているグラウンドエフェクトはそこまで強力なものではなく、車体のサイドの隙間も密閉されていません。
そして空力パーツも減らされたものの、前後のウイングなどからもダウンフォースをある程度発生させているため、グラウンドエフェクトの機能が失われてもすべてのダウンフォースを失ってしまうことにはならないのです。
そのためグラウンドエフェクトカーになったからと言ってかつてのようにマシンが宙を舞うような事故になる可能性は極めて低いと言えます。
まとめ
ということで、簡単にまとめると「今年のF1はグランドエフェクトカーで接近戦や追い抜きが増えてこれまでに比べて面白くなるよ!」ということなので、
「最近のF1はバトルが少なくてつまらない」と感じていて観ていなかったオールドファンの方も、一度今年のレースを観てみてはいかがでしょうか?
実際に接近戦が増えたかどうかについては賛否両論はあるものの、Twitterのファンの方の声にもあるように、実感されていた方も多いのでレースの魅力は確実に増していると思います。
また次回もF1を面白く観るための要素をテーマに記事を書いていくのでよろしくお願いします!
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