【格闘技ジム】オーナーMIYATOが思う、格闘技ジム乱立の背景とは?

東京の豊島区池袋にあります、キックボクシングジム、レグルス池袋ジム代表、MIYATOです。

10月から先日まで、レグルスでのイベントが立て続けにありました!

スパーリング大会、格闘技イベント、ハロウィンキック、祝日特別プログラム、医学セミナー等…。終わったら次!それが終わったらまた次!と矢継ぎ早にどんどん実施していったら、更新が遅れました…! すみません…!

11月23日も元Krushスーパー・バンタム級チャンピオンの瀧谷渉太インストラクターによる、技術練習会を開催します!興味ある方は、レグルス池袋ジムのHPをご覧ください!

初心者歓迎! 元チャンピオンが丁寧に教えてくれます!

さて、今回のテーマですが【格闘技ジムの乱立】について。

レグルスのスタッフとも時々話すのですが、ここ数年、格闘技ジムが物凄い勢いで、オープンしまくっています。池袋だけでも、相当な数の格闘技ジムがあります(総合、立ち技、問わず)フィットネスから、ガチ目なものまで、全て入れたら池袋駅周辺だけで10店舗以上あります。池袋という立地もあるのかなとも思いますが、今回は格闘技ジムがオープンしまくっている理由について私なりに発信します。

何故、ここまで格闘技ジムが多くなってきたのか?

①ジムを開業するしか生きる道がないから

私が思う一番の理由は、格闘技をビジネスとしてやろうとなると、ビジネスモデル、キャリアプランがそれしかない(ジム開業しかないから)だと思っています。ようは

プロ選手として頑張ってやってきたけど、引退した後、どうすればいいのだろう?

↓↓↓

自分でジムをオープンしよう

という流れになるからです。

格闘技がだいぶ世間に認知されてきたとはいえ、野球やサッカーのようなBIGな市場ではまだまだありませんし、選手を引退した後の仕事やお金の保証もありません。引退後、指導者をされる方も多くいらっしゃいますが、給与も不安定。社員雇用ならまだしも、ほとんどのジムの指導者はアルバイト雇用なので、どこかのジムのスタッフ(指導者)一本で生活していくのは難しいです。実際、格闘技ジムのインストラクターは副業でやっている方がほとんどです。また、そもそも格闘技をやってきた方は、この競技の性質上なのか、誰かの下に付いて働くというのを好まない方も多いようです。そうなると一般的な企業に勤めるよりかは、選手でやってきたスキル、人脈を活かして、自分でジムを立ち上げよう、となりますよね。プロ選手の場合、スポンサーさんからの後押しもあるでしょうし、10年、20年と子供の頃から格闘技しかやってこなかった選手も多いので、どこかに就職して社会に溶け込むのが難しい…と感じる人がいるのも事実だと思います。

②初期投資費用が安い

2番目の理由として、ジム開業資金の安さです。格闘技ジムの開業資金は一般的に安いと言われていて、フィットネスジムのような多くのマシンやスペースがいりません。数名が一緒に動いてもぶつからないくらいのスペース、床はマットを敷き、壁には鏡を張り、グローブやミットが数点、あとはサンドバッグがあればほぼ、OKです。立地や広さ、シャワーの有無等の条件を気にしなければ、200万円くらいでも開業できます。人件費もジムの大きさによりますが、1人~2人でも回せます。実際、スタッフ一人で練習を見ながら、事務作業を手すきの時にやる、ワンオペで回しているジムもよくあります。

③誰でも格闘技ジムを開業できる(資格不要)

ジムの開業やインストラクターをやると聞くと、何か資格がいるのではないか、と思われる方がほとんどだと思いますが、格闘技に関しては資格等は必要ありません。『私、インストラクターです!』と言ったら、インストラクターになれます(笑)まぁ、それはちょっと極端な話ですが、格闘技を教えるにあたって特別な資格は、いりません。武術、武道、柔術等は帯制度があるので、一定の色帯以上でないと教えられないというのがあるようですし、ボクシングもライセンス制度があるので、トレーナーもライセンスが無いと教えられないと聞きますが、キックボクシング、総合格闘技に関しては資格やライセンスは必要ありません。なので、誰でもジムを開業できます。

以上の3つの理由により、格闘技ジムの開業が比較的容易である事がご理解いただけるかと思います。あとの理由として、単純に自分の技術を自分なりに伝えたい(会長や責任者に気を遣わないで、好きなように教えたい、やりたい)というのもあります。それもあるのか、特に近年はプロ選手の方が自身でジムを開く傾向が強いと感じます。格闘技ブーム(PRIDEやK-1が流行っていた時代)に憧れて選手になった人が、年齢的に今くらいが丁度、引退後のことを考える頃合いなのかなとも感じます。

私がキックボクシングを始めた約15年くらい前は、探すのが大変なくらいの数しか格闘技ジムは無かったのですが、ここ数年でとても増えました。実際にジム運営をしている私の立場から正直に申しますと、今は小さい格闘技市場を各ジムが取り合っている状態と言わざるを得ません。『格闘技ブーム、今まさに来てるでしょ?』と思う方もいらっしゃるかもですが、格闘技ブームと競技者人口がリンクするとは限りません。RIZINやブレイキングダウン、THE MATCH等もありますが、興行として成功したとしても、そこから競技者(実際にジムに行こうと思う人口)が増えなければ、格闘技ジムは衰退していくだけです。現実問題、このままジムの乱立が続けば、顧客の取り合いになり、どこかのタイミングで業界全体が会費を安くしはじめ、薄利多売状態になるのが容易に想像できます。そこまで行くと、潰れるジムも多くなることでしょう。それは弊社も他人事ではないです。

【ジムが増える=雇用も増える】という図式もありますが、そもそも、競技人口が増えない限り、ジムに流れるお金は増えません。人件費ばかりが増え、売り上げが足りない…結果、ジムを閉じるという負のサイクルになりかねません。

少し私自身の話で恐縮ですが、私が事業譲渡をさせていただいたレグルスの前運営会社は、周りのジムに顧客を完全に取られている状態でした。ジムが多くあり、選択肢も多いのは顧客側からすれば良い事かも知れませんが、運営側からすれば、厄介以外の何者でもないです(笑)きちんと対策をしなかったジムが悪いといえばそうなのですが、レグルスは20年近く今の場所にある老舗ジムです。新しいジムが出来る度に『こんな近所にジムを沢山作らなくてもいいのに…。何故小さな商圏で顧客を取り合うのだろう…』とスタッフの頃、私も思っていました(笑)レグルスに恨みでもあったのでしょうか(笑)

格闘技ジムが生き残る方法は、格闘技を競技として楽しむ人が増える事です。が、これは格闘技業界全体の問題であり、ジムだけで解決できる問題ではないと考えます。私が考える、数ある格闘技ジムの中で生き残っていく方法は、今ある他のジムとの差別化を明確にしていくしかないと思っています。その明確な差が何なのかは、まだはっきりとは辿り着いていませんが【一般的な格闘技ジム】が時代に取り残されるのもそう、遠くない未来なのかもしれませんね。

レグルス池袋ジム代表 MIYATO

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この記事を書いた人

MIYATOのアバター MIYATO レグルス池袋ジム責任者 (株)KAKU-TANO 代表  取締役社長

レグルス池袋ジム責任者。(株)KAKU-TANO代表。
転職7回の後、経営の経験もお金も0で社長になる。格闘技に関する事業をしています。
プロ経験はありませんが、キックボクシング歴13年、指導実績1,000人以上あり。
格闘フィットネス、グループレッスン、パーソナルも得意。
手探りの毎日ですが、格闘技のカジュアル化と格闘技の違った形を提供する為に日夜奮闘中!

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