ごきげんよう皆様、卓球してますか?
私のYoutubeチャンネルの方で、隔週で卓球界に起きた出来事をいくつかピックアップして簡潔にまとめる、
いわゆる簡単なニュース企画を続けております。「Fortnightly Table Tennis Topics」略して「FT3」、もはやMonthlyな当企画でありタイトル等を変えるべきなのですがそんな問題は先送り、8月版をWebでもお届けさせていただきます。
Youtube版はさくっと見られる動画尺に編集しておりますが、差別化ということでWeb版は都合上省略した情報や表現などをしっかり充実させた内容にしようと思います。
来季に向けて情報をチェック Tリーグ 5thシーズンに向けて Final
■まずはTリーグ。5thシーズンに向けて情報を集めていきましょう……と言いつつ9/10に開幕戦を既に消化しております。というわけで今回が最終回、いつもよりちょっぴり比重多めでお送りします。
8/31付の選手登録が発表。海外選手がどっさりと参戦。韓国のソヒョウォン、ドイツのニーナといったエース級の選手や、前シーズン大活躍の郝帥(Hao-Shuai)選手が今期も参戦。今季も大暴れの予感です。ソヒョウォンは韓国女子のカットマンで、これまでも幾度となく日本の前に立ちはだかってきた強壁。ニーナ・ミッテルハム(Nina Mittelham)はドイツの代表選手で25歳の若手、ジュニアクラスでの活躍をずっと続けておりました。近年WTTやヨーロッパのオープン戦で入賞し台頭をし始めており、パリ五輪代表にも選出が予想される選手です。
郝帥は中国のベテラン格の選手で、10年ほど前の中国代表選手です。シングルス代表にはなかなか選出されませんでしたが、それでも同士討ち以外ではほぼ負けない実力者でした。ダブルス種目において、アジア選手権やプロツアーグランドファイナルなどで金メダルを獲得した経歴があります。
最終おさらいということで開幕前の現時点でのチームメンバーを確認しましょう。Youtubeだと一時停止推奨でしたがWeb版ではじっくりご覧いただけますほか、8月末のデータだったところをアップデートし、9月上旬に追加された選手にも対応しました。
木下マイスター東京。篠塚選手、カルデラノ選手の参戦と張本選手の脱退が大きな変化。左利きの篠塚選手の加入で、ダブルスのペアリングなど変化があるのではないでしょうか。前シーズンでは主に大島選手と松島選手、田添選手が出場することが多かったです。卓球のダブルスは左右で組むことがベターであるとされています(一概には言いきれませんが)、左右>右右>>>>>>>>>左左という感じ。カルデラノ選手は世界ランキングも非常に高く、中国選手とも打ち合える実力者。シングルスでの起用が中心になるでしょう。
T.T.彩たま。イングランド代表のピッチフォード選手が帰ってきました。どれくらい帯同できるかですが、エースとしての活躍を期待です。前監督の坂本氏が岡山リベッツの丹羽選手の専属コーチに就任したため、岸川聖也選手が監督として1年目に臨みます。新戦力として高木和卓選手、上田仁選手が参加。高木和選手は岸川監督や水谷隼選手と同時期に活躍していたベテランです。この後紹介しますが琉球アスティーダに加入した大矢英俊選手と同学年。筆者は彼らが活躍していた頃に同じく卓球に明け暮れていたため、この世代の選手たちの活躍が非常に楽しみです。上田選手は岡山から移籍、ダブルス巧者の呼び声高い選手です。
岡山リベッツ。男子で中国選手を抱えているのはこのチームだけ。前期チーム順位は4チーム中の最下位でしたが、そんな中でも森園選手はダブルス無敗でランキング1位。ダブルスは単純に強いもの同士が組めば勝てる、とはいかない難しい競技です。その中で結果を出し続けた実力は確か。しかしその分他の選手でシングルスでの勝ち数を上げることが重要、丹羽選手や郝帥選手などの活躍に期待がかかります。今回の補強はチーム戦力の底上げとなるでしょうか。
琉球アスティーダ。宇田戸上コンビの脱退が大きなマイナスですが張本選手を獲得。登録選手数は男子最多です。若手の両選手は海外リーグへの挑戦を理由に今期のTリーグを離れる選択を取りました。パリ五輪に向けての武者修行と言ったところ。戦力ダウンとなることを受け入れ彼らの選択を支持したチームには敬意を表します。その分、チームに残った選手たちへのプレッシャーは少なからず。先日のNojima Cupでは張本選手に次いで準優勝した吉村真晴選手。なにやら文春からの砲撃を受けているようですが、チームを牽引する活躍を期待しております。
ここからは女子。
日本生命レッドエルフ。注目を集めるのはTリーグ5年目にしてついに初参戦の伊藤選手でしょう。個人的には同じく今季初参戦の李佳燚(Li Jiayi)選手。実績を確認すると、昨年の中国大運動会で遼寧省から参加し、王芸迪(Wang Yidi,世界卓球2022中国代表)、陳幸同(Chen Xingtong,世界ランキング最高7位)というチームメイトと共に優勝に導いております。本格的な中国卓球がお目にかかれるでしょう。既存戦力の森さくら選手と笹尾明日香選手のダブルスはWTTで上位入賞する実力もあり、非常に層が厚いといえます。伊藤早田のダブルスというワイルドカードもあり、オーダーが非常に楽しみなチームです。
日本ペイントマレッツ。チームメンバーのほとんどが強豪の四天王寺出身者です。というのも今期より指揮を執る大島監督は四天王寺中高や、女子のNTにも参加しておりました名指導者です。前シーズンは九州アスティーダのコーチを務めておられましたが今期よりマレッツの監督に就任。同じく前季は九州アスティーダ所属だった佐藤瞳、橋本帆乃香の両名も共に移籍し、大阪を盛り上げてくれることと思います。大藤、芝田、横井といった実力者も続投、チーム戦力は十分といった印象です。
九州アスティーダ。4thシーズンより加入し、今季が2シーズン目のチーム。先述の佐藤、橋本の脱退が大きな戦力ダウンですが、どのように補えるかがポイントになってくるでしょう。新規加入で注目したいのは加藤美優選手、ニーナ・ミッテルハム選手。加藤選手は日本ペイントマレッツからの移籍、前シーズン後期のMVPを獲得しているほか、全日本選手権では3位入賞しております。ニーナ選手は冒頭で紹介した通り。ダイナミックなプレーを期待しております。
木下アビエル神奈川。人数こそ最も少ないものの個々の実力は非常に高いです。豪華なオーダーが見られそうですね。平野美宇選手は日本生命より移籍。世界戦などの関係で出場は多くなかったものの、出た試合では早田選手と共にしっかり勝ち点を上げておりました。同じく移籍組の長崎美柚選手も盤石なレッドエルフを支えてきたレギュラーメンバーの一角でした。森選手、早田選手に次ぐ10勝という成績。そんなシングルス勝利数でトップを走っていたのは木原美悠選手。今期もエースとしての呼び声が高いです。張本美和選手も成長著しく、平野石川などの代表クラスが出場する国際戦に参加し上位入賞するケースが増えてまいりました。今季大活躍の予感です。ここまで豪華なメンバーで悩まされるのがダブルス。石川平野、木原長崎というペアリングはWTT等でよく見られますが、果たして。
筆者は浜本由惟選手を応援していたのですが、今季不参加の気配濃厚で非常に残念です(小声)。
TOPおとめピンポンズ名古屋。新たに木村佳純選手、南波侑里香選手を獲得。どちらも前チームでは主軸選手でした。ハン・イン、ソ・ヒョウォン、小塩遥菜選手というカット主戦選手を取りそろえているため、ラリーが長くなり試合時間が伸びそうな印象です(褒め言葉です)。鄭怡静(Cheng I-Ching)も安定した成績を残す実力者。直近のビッグタイトルでは東京オリンピックの混合ダブルス種目で銅メダルを獲得しております。
最後に京都カグヤライズ。今季初参戦の新進気鋭のチーム。フォンティエンウェイ(Feng Tianwei)選手はダブルスで前期トップの勝利数を誇っており、ダブルス巧者と言っていいでしょう。フォン選手とペアを組んでいたシャン・シャオナ(Shan Xiaona)選手もセットで参戦。ダブルスはほぼ固定となるのではないでしょうか。ダブルスの試合は一番最初に行われますので、チームに良い流れを作っていってほしいところ。松島美空選手は若干9歳という、若手と呼ぶには若すぎる小さなTリーガー。さすがにいきなり大活躍とは難しいかと思いますが、張本美和選手という例もありますので、数年後には大エースと成長しているかもしれません。木下アビエル神奈川に初参戦の張本選手も当初は戦力と言うよりは話題性かな?という印象でしたが、それを乗り越えての今の大活躍ですので、将来の日本代表の成長をTリーグという目の前で、という心持ちです。
以上、男子4、女子6チーム。各チーム全20試合のスケジュール。
男女ともに9/10から5thシーズン開幕ですが、それに先駆けてNojima Cup2022、旧称Tリーグ個人戦が8/13、14に開催されました。個人戦の名の通り、種目はシングルスのみ。結果はこんな感じ、公式ページから拝借します。
まずは男子。今季より琉球アスティーダへ移籍した張本智和選手が優勝、決勝戦は同じく琉球の吉村真晴選手。冬に行われました直近の全日本選手権では吉村選手が勝利していたマッチアップですが今回は張本選手が圧倒。3位、4位はリベッツの森園選手、吉山選手。組み合わせこそありますが、レギュラーシーズンにも勢いがつくのではないでしょうか。それぞれ道中で戸上隼輔選手や宇田幸矢選手、丹羽孝希選手といった五輪代表候補を破っての上位入賞です。
続いて女子。人数も多くシードも発生しております。優勝は早田ひな選手。次いで平野美宇選手。芝田選手は8決定で伊藤選手を下し、準決勝に駒を進めたのですが、平野選手、木原選手の木下陣営に破れ残念ながら4位入賞。
なお当大会はライオンカップに続いてパリオリンピック代表ポイントの対象。
2大会の結果を踏まえての現在のランキングは上記参照。次回は9月上旬の全農カップですが、この記事がアップされる頃には結果も出ているでしょう。ランキングに変動はあるでしょうか、果たして。
学生の祭典インターハイ!全国高等学校総合体育大会
全国高校総体、通称インターハイが開催。高校生といえどその傍らでTリーグやNT、WTTに参加しているなど、非常にレベルが高くなっております。結果はこんな感じ。
男子団体は愛工大名電が優勝、2位は野田学園。明電は今回で6連覇を達成しました。
ちなみに6年前の名電メンバーは木造、松山、高見、田中選手など。
それぞれ今も現役で国内外で活躍している、脂の乗った世代です。
鈴木颯選手が団体、シングル、ダブルスすべてで優勝。3冠王達成です。
女子は四天王寺が優勝、こちらは9連覇となりました。女子シングルスはリベルテと四天の大阪勢が表彰台独占。赤江選手が優勝を勝ち取りました。ちなみに9年前の四天王寺には松平志穂選手や森園美月など在籍しておりました。
WTT結果まとめ!WTTコンテンダー チュ二ス/フィーダー オロモウツ
WTT大会が開催、結果まとめです。
8/1から開催されておりましたコンテンダー大会、会場はチュニジアのチュニス。結果はこんな感じ。
シングルスは日本勢は奮わずブラジルのカルデラノが優勝。ダブルスで張本木造ペアが優勝。このペアリングは少し久しぶりではないでしょうか。女子シングルスは石川、長崎、平野、張本選手が決勝トーナメント進出。中国の張瑞(Zhang Rui)や台湾の陳思羽(Chen Szu-Yu)に崩されていくも、張本美和選手が気を吐き決勝に進出。惜しくもセットオールで敗れてしまいましたが準優勝です。混合ダブルスには張本兄妹が参加、兄妹での国際戦は今回が初出場、初優勝をかっさらいました。張本智和選手はダブルス2冠です。
8/23からチェコ、オロモウツで開催のフィーダー大会。結果はこんな感じ。
女子ダブルスと混合ダブルスは日本参加なしです。男子は総じて吉村真晴選手が大活躍。予選トーナメントからも含めて周啓豪(Zhou Qihao)を含む中国選手を3人、ドイツ選手を2人撃破。結果としてシングルスは準優勝。男子ダブルスは吉村和弘選手と組んで優勝、決勝戦では同士討ちを制しました。吉村真晴選手は世界ランキングを大幅に更新、330位から114位とランクを上げました。ちなみに現115位は和弘選手です。
今回はここまで、ご覧いただき誠にありがとうございました。
Youtube版もどうぞよしなに。
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