【MLB】ヤンキースの今シーズンは、あるベテランの活躍が不可欠!?

2020年シーズン終了後、ヤンキースが6年総額9000万ドルでDJ・ルメイヒューと再契約を結んだ理由は、ルメイヒューなしでのラインアップが描けなかったことも影響していたことだろう。この再契約から早2年の月日が経ち、ヤンキースのフロント陣をはじめとする面々は重要な場面で、ルメイヒュー不在の場合どのような結果になるのか2年前よりよくわかっているはずだろう。
34歳のベテランは2020年オフにヤンキースと再契約後、2021年と昨年の両方でヤンキースはポストシーズンに進んでいるが、2021年は対レッドソックスとのワイルドカードゲームにも、昨年チームがALCSまで進んでさえも、足のつま先のケガでポストシーズンの試合には出ていなく、後者のつま先のケガは手術は避ける可能性が高いが疑問符となっている。

前述のALCS(アメリカンリーグ優勝決定シリーズ)でその後世界一に輝くアストロズにあっさりと4連敗を喫し過去6シーズンで3度目の泥を塗られたヤンキースのGMブライアン・キャッシュマンを始めとするフロント陣が、アーロン・ジャッジやジャンカルロ・スタントンを含めたヤンキースの打撃陣を改善することは、目に見えて明らかなものだが、地元紙ニューヨークデイリーニュースは「ベテランのルメイヒューが”2019年から20年シーズンの打棒を復活”させることが、安定した改善の始まりになる」と固く断言している。

内野のユーティリティープレイヤーであるルメイヒューはロッキーズからFAでヤンキース移籍初年度の2019年から20年シーズンの期間で打率.336、出塁率.386、長打率.536と素晴らしいパフォーマンスを挙げたが、21年から昨年までは差が激しく打率.265、出塁率.356、長打率.368の成績に終わり、両シーズンでルメイヒューをポストシーズンに出場することを阻んだケガを抱えたままプレーしたことがこのような打撃成績の急降下を手伝ったものと考えられる。しかし、昨年はつま先のケガが悪化する前、アーロン・ジャッジという名前ではないヤンキースの選手としてはチーム内ではベストヒッターだった。

現地8月2日まで95試合に出場したルメイヒューは打率.294、出塁率.394、長打率.431で11ホームランを放っているが、その翌日の3日から10月の5日の期間は30試合で打率.167、出塁率.238、長打率.211で9月の多くは欠場した。さらに7月までに98年のチーム記録でのシーズン勝利数を狙う中、8月に10勝18敗とヤンキース全体で失速したのも偶然の一致ではない。

チーム打率以外の打撃部門のカテゴリーでヤンキースはほとんどと言ってもおかしくないようにトップにランクインしており、その中身はOPSリーグ4位、得点数同2位、そしてホームラン数は1位であり、ルメイヒューの出塁率がチーム内で2番目に高かったことからルメイヒューがヤンキースの打撃陣で大きな役割があるのは確かだ。さらにポストシーズンに出場した全12チームの内3番目に低いOPSを記録していたヤンキース打線の中で、ルメイヒューの出塁率.357はポストシーズンの中ではチームで3番目に高い出塁率となっていたはずだろう。

そのことから現在フリーエージェントやトレード市場が渇水し、打撃全体での改善が図れないことから、今自分たちが保有する選手からベストを引きだすことが合理的であり、10月の試合で空振りの多さを露見するチームの打撃陣の中で空振りが少ないことで知られるルメイヒューをそう賭けるに値するはずだ。また4年も契約が残っており、監督のアーロン・ブーンが、次の7月に35歳を迎えるベテランに毎試合出られるようにすることが重要であり、取り分けチーム内に1番バッターを務められる選手が居ないことやボールをバットに当てるスキルを欠く為、なおさらそうだろう。
昨シーズン125試合に出場した中でルメイヒューは89試合でリードオフマンを任せられており、唯一の問題はどこのポジションを守るかかもしれない。三塁にはジョシュ・ドナルドソンがおり成績が思い描いたものでないことからファンからは批判的な声が上がっているが、キャッシュマンは断固としてドナルドソンはヤンキースの三塁手であると明言され、セカンドには昨シーズンOPS+115をマークしたグレイバー・トーレスがいるが、OPS+が示すように平均以上の打撃成績の為トーレスをベンチに置くのは、オフェンスの改善を望んでいるチームには意に反するものとなる。

その為、昨シーズンと同じようにチームはルメイヒューに内野の様々なポジションを守らせての起用となるだろう。昨シーズン、ルメイヒューが守ったイニング数は三塁が386.2イニング、二塁では312.2イニング、一塁は265イニングで、守備防御点の観点からは三塁で7を記録しており、902.2イニングに三塁で守ったドナルドソンと同じ数となる。ちなみにルメイヒューは新設されたユーティリティー部門で昨年キャリア4度目のゴールドグラブ賞を受賞した。

しかしながら、ルメイヒューに内野のポジションを行き来させることはトーレスやレギュラーで一塁手を務めるアンソニー・リゾといった選手をベンチに座らせることを意味するものであり、昨年も毎試合違う打順を組まざるを得なくなり打撃面で不安定さを作るきっかけとなった。
理想的なシナリオは、昨年デビューした24歳のオズワルド・カブレラがレフトに回されず、ルメイヒューが担っているユーティリティーの役目を担うことでルメイヒューを安定して試合に出られる結果に落ち着かせることができるだろう。もちろん、ルメイヒューがレギュラーシーズンの終盤でまたケガをしてしまうのも取り分け34歳という年齢を加味すると重大なものであるだろう。ただ、契約が4年残っている今の状況で、ヤンキースにできる事は祈る事のみしかできない。今オフ、アーロン・ジャッジを再契約したことに加え、今オフFAでトップの投手だった左腕のカルロス・ロドンを加入させ投手依存となってしまっているヤンキースは問題を抱えるバッティング面でのオプションはすでに限られ、ベテランのユーティリティープレイヤー、DJ・ルメイヒューに期待する以外、選択肢はそう残されていない。

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https://www.nydailynews.com/sports/baseball/yankees/ny-dj-lemahieu-toe-surgery-lineup-20230112-q5onggouubaz3fknhwwgkchwe4-story.html

本記事は、URL元の記事を元に翻訳、書き加えたものです。
引用元:nj.com

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