【MLB】5シーズン防御率7点台の投手がドジャースとメジャー契約。その理由は奪三振率と…

現地29日、ジ・アスレチックの記者ケン・ローゼンタールはドジャースが、シェルビー・ミラーと基本給150万ドル+パフォーマンスによる出来高で1年のメジャー契約で合意したと報じた。なお契約は、身体検査をパスしていないため正式発表ではない。

ミラーは2009年のドラフト一巡目で現在はエンゼルスのスターであるマイク・トラウトが指名される前の全体6巡目で選ばれ、カーディナルスで次期エースと思わせるピッチングを披露したが、2015年に今オフFAの目玉選手の一人であるダンスビー・スワンソン、その後ゴールドグラブ賞を受賞することになるニック・マーケイキスとのトレードでダイアモンドバックスに移籍した後、キャリアが一変。Dバックス初年度に20登板で防御率6.05に終わった後、2016~17年をトミー・ジョン手術をしたために棒に振り、2019年にレンジャーズで44登板で防御率8.59、1年飛ばした2021年シーズンもカブス、パイレーツで投げたが結果が変わることはなく、2015年からの成績は合計5チームで65試合に登板し防御率7.02だった。

だが、このように不本意な成績にもかかわらず、ドジャースと契約する数日前にはサンフランシスコ・クロニクルのスーザン・スラッサー記者に対し、ミラーは今シーズン在籍していたジャイアンツからはマイナー契約でのオファーがあったが、他の2チームからメジャー契約の提示があったと伝えていた。では、なぜミラーが、今シーズンもメジャーで防御率6.43の成績だったものの、ドジャースでメジャー契約を勝ち取れたのか?
その理由の一つ目は、ここ2年のマイナーでのシーズンで高い奪三振率を上げていたことがまず第一の理由だ。
2016年から、徐々にリリーフでの出番を増やしていったミラーは、昨年カブスとパイレーツ傘下のトリプルAで24回 1/3で防御率2.96で四球率9.6%に対し、三振率は平均の約23%を上回る37.8%をマークし今シーズンも、ヤンキースとジャイアンツの同じくトリプルAのチームで53回1/3で防御率2.87、奪三振率31.2%を記録した。
一方、MLBのレベルではシーズン最後の2週間で、17登板をし7イニングで5失点と良い結果ではなく、空振りストライク率が8.4%と平均以下(11.8%)であったが、フォアボールが三つに対し三振を14稼ぎ、三振率にすると48%という結果であった。

そして二番目の理由は、ミラーの球種である事が関係している。まず下の画像をご覧いただこう。

画像元;MLB.com The unheralded FA relievers that could make a difference

これはbaseball savantというサイトにあるミラーの球種の投球割合で、今シーズン(2022)の中で黄色い線であるスライダーを投げる割合が増えた事に目につくのではないだろうか。
元々、ミラーは80%の割合で直球を投じる投手だったのだが、今シーズンジャイアンツでの17登板という短い期間でストレートを45%ほどまで減らした。そしてその減らした理由は、スライダーをメインの球種に置き換えたことによる結果だった。またMLBドッドコムのアナリスト、マイク・ペトリエロの記事によれば2021年にミラーがカブスのスプリングトレーニングで”全く新しいスライダー”の改良に取り組んでおり、その当時ミラーは「自分にはこのようなナスティなものはなかった。」と語るほどで、それに加え今シーズンヤンキースのマイナーでは、新たなスライダーの握りを教わったとのことである。

ただマイナーで三振率が平均と比べ高いなど、興味をそそわせるリリーフ投手であっても、チームの試合の中盤戦を任せられるほどミラーは、メジャーでリリーフ投手としての地位を確約していない。とはいえ、ジャイアンツではおそらく招待選手として、スプリングトレーニングに参加しなければならなかったが、ドジャースでは、そういった心配がなくメジャーでブルペンの一人としてキャンプを迎えることになるだろう。またドジャースは、今シーズンリリーフ投手の中で防御率一位だったエバン・フィリップスや2021年に防御率7点台だったイェンシー・アルモンテを防御率1.02の投手に変えた例があるように、掘り出し物の投手を一級品の投手に再生する術はリーグ全体でも秀でている。それに加え、ドジャースの今シーズンの中継ぎ防御率2.87はリーグ2位、三振率26%は同6位だ。

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https://www.mlbtraderumors.com/2022/11/dodgers-to-sign-shelby-miller-to-major-league-deal.html

本記事はURL元の記事の一部を和訳、書き加えたものです。

https://www.mlb.com/news/overlooked-free-agent-relievers-for-2023

本記事はURL元の記事の一部を和訳、書き加えたものです。
画像元:giants365.com

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