立教新座 4-3 国際学院
上尾市民球場の第1試合は、立教新座vs国際学院の一戦。両校は秋春と練習試合を行うだけに、互いのことはある程度分かった上での対戦となる。
立教新座は1番・川村 太壱外野手(3年)と6番・村岡 伸之佑内野手(3年)が木製バットを選択。
先発は立教新座が野川 拓真投手(3年)、国際学院が金子 紀大投手(3年)と、両エースが登板し試合が始まる。
立教新座は初回、国際学院・金子の立ち上がりを攻め、川村、藤井 奏吾内野手(2年)、小板橋 望和捕手(3年)の3連続右前打で、いきなり無死満塁のチャンスを迎える。だが、国際学院・金子が開き直り、後続を抑え無失点で切り抜ける。
この日の主役は、国際学院のエース金子だった。最速138キロ左腕の、投げっぷりの良い投手で、普段は球が荒れるのが特徴だが、この日はまとまった投球を披露する。2回以降は立ち直り、走者こそ出すが、強打の立教新座打線を無得点で抑える。
一方、最速140キロの立教新座・野川は、対照的に変化球中心でノラリクラリと凌ぐ投球に終始する。
先制したのは国際学院であった。
2回、1死から5番・金井 日良内野手(3年)が四球を選び出塁すると、続く屋良 俊樹外野手(3年)が右中間へ適時三塁打を放ちまず1点。さらに暴投で1点を追加し、国際学院が2点をリードする。
国際学院は6回にも、この回からマウンドに上がった立教新座の2番手左腕・椎野 蒼大投手(3年)の代わり端を攻め、1死から屋良の遊ゴロが相手の一塁悪送球を誘い1死二塁とすると、2死後、8番・中村 太哉内野手(2年)が左前適時打を放ち3点差をつける。
だが、ここまで好投を続けてきた国際学院・金子は、6回まで投球数100球を超えていた。この日の暑さも相まって7回時点で足が攣ってしまう。
すると、ここから立教新座打線が猛反撃を見せる。
この回先頭の藤本 祐生(2年)が相手エラーで出塁すると、1死後、2番・藤井は三振に倒れるが、その間に一走・藤本が二盗を決め2死二塁とする。ここで3番・小板橋が左翼線へ適時二塁打を放ちまず1点。続く戸張 健介(3年)も中前適時打を放つと、5番・晝間 丈陽外野手(3年)も三塁線を破る適時二塁打を放ち同点とする。イケイケとなった立教新座は、続く村岡も右越えの適時三塁打を放つなど、この回一挙4点を奪い4対3と一気に逆転する。
その後は椎野、松岡 啓太投手(3年)とつないだ立教新座投手陣が、国際学院打線の反撃を無失点に抑える。
結局、立教新座が国際学院を4対3の1点差で制し、初戦を突破した。
国際学院の川島監督は
「金子は四死球も少なく、やってやるぞという気合いを全面に出した素晴らしい投球でした。心と体が良いバランスで。ただ、立教新座打線が強力なことは知っているので、彼も甘くいくと行かれるということで、どうしても球数が多くなり初回から強い球を連投するような展開になってしまった。7回の場面を同点までで乗り切ってもらえると、終盤の最後の攻防は面白くなったんですが。最終回の金子の再登板に関しては力は残っていなかったと思うが、最後の攻撃に弾みをつけるということで。彼が中心のチームなので。打撃面は低反発バット対策として”ちゃんと捉える”という形をかみくだいて伝えてきたが、この日は野川君がいつものイメージと違い、かわされてしまった。選手たちは体づくりを含め、一生懸命なのでシードなど結果を出させてあげたかった」
と、試合後悔やんだが2番手以降の差が出てしまった形だ。いずれにせよ打線でも2番を打つ大黒柱のエース金子が一本立ちしそうなだけに、夏までそれ以外の選手たちがどれだけ彼の負担を軽減することができるかが今後の課題であろう。
一方の立教新座・池田監督は
「金子君が良いピッチャーというのはわかっていた。練習試合の時は荒れていましたが、これがまとまってくると思っていたら、案の定。うちも初回の無死満塁を取れなかったですが、それでも30球近く投げさせることができたので、ずっとベンチで我慢我慢、後半戦だよと。野川は一昨日まで体調不良で本調子ではない。本人も球が走っていないことを気にしていたんですが、5回の満塁のピンチをよく凌いでくれた。次は無理だと思ったので、5回で代えました。村岡の三塁手は藤井の成長を促している部分もあるが、村岡は足もあり、野球を知っているので打順も6番、低反発バットの影響で打球は死ぬので、三塁手の重要性を考えると、このままでもいいのかなと。打力で埼玉一番を取ろうと。4巡目で捉えてくれた。木製はバットが走るので川村や村岡に提案した。川村はOPSが高いので1番に起用している」
と、安堵の表情を浮かべる。内容的には決して褒められた内容ではなかったが、それでも川村、小板橋、村岡、野川など潜在能力は高い。シード獲得へは野川の復調が鍵となるであろう。
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