【WBC-eye(愛)】~中途視覚障がい者のベースボール魂~

 視覚障害のある ブラインドeレーサー いちほまれ です。
最近、左目の白内障が進行して更に見えづらくなってきて手術を検討中です。
そんなロービジョン(弱視)ですが、実は視覚障がいに気づく前の小・中学生時代には野球選手としてレギュラーで試合に出場していました。
 数年前までは息子とキャッチボールは出来たのですが、息子の球が速くなってきたのと身体から遠い位置のボールが見えなくなり今は控えてます。
 そんな私の中途視覚障がい者としての野球魂をご紹介しますので、また違った視点でのWBCの楽しみ方を感じていただければと思います。

目次

少年時代

 幼い頃から背が高くて左投げ左打ちだったこともあり、小・中学生時代は守備位置はファースト、打順はクリーンアップとして真面目に野球をしていました。
ちなみに小学生時代は学校のブラスバンドに所属し、トランペットを吹くという二刀流でした笑
 家に帰ると父が毎晩、ジャイアンツ戦を見ながら晩酌をしていたので、昭和時代の子どもにはチャンネル権などなく、必然的に野球中継をみてプロの投手の配球をクイズのように予測して楽しむ日々を過ごしていました。

高校からは観戦へ

 高校は無事に第一志望に合格し、田舎育ちのため片道1時間の電車通学をすることになりました。入学してすぐに野球部からの勧誘を受けますが、硬式のボールは痛い(守備下手なので)のと、思春期の男子には丸坊主が耐えられず、丁寧にお断りしました。
 しかし、野球好きは変わらず、桑田、清原のKKコンビがPL学園からプロ野球へ入団した時代でプロ野球は大盛りあがり、更にバブルの波で家に大型テレビがやってきてテレビでの野球観戦が楽しみでした。
 また、時を同じくして中嶋悟さんのF1デビューでF1のテレビ中継が始まり、プロ野球ニュース終了後の深夜に録画放送されていたため、日曜夜はワクワクでした。

大学生から大人へ

 高校卒業後は地元の大学に進学し、就職。
この頃には、秋山、清原、デストラーデの西武ライオンズ黄金期でしっかりライオンズファンになり、今でも変わらず埼玉西武ライオンズファンです。

難病発覚後の野球ライフ

 結婚して、1男1女の父となり、息子が小学生の時にイチロー選手モデルのグラブを誕生日にプレゼントして親子でキャッチボールや野球を楽しむようになりました。
 息子はジャイアンツファンで、特に地元福井の敦賀気比高校出身の内海投手(当時、ジャイアンツの大エース)と坂本選手の大ファンでした。福井には数年に1度しかジャイアンツ戦が開催されないので、東京ドームやナゴヤドームに旅行を兼ねてよく行ってました。
 そんな中で、私の目の難病が分かり徐々に見えづらくなり、仕事から早く帰ってきた日には外でキャッチボールしていたのが、夜盲と息子の成長で球が速くなりボールがキャッチできなくなってきました。それでも、夏休みには球場に足を運んでいて、見えづらくなった私には球場ではボールや選手の表情は見えないけど、プレイ中の音や応援の雰囲気、球場グルメ、グッズ購入などかなり楽しめました。

WBCで胸熱

 WBCの思い出は、目の難病が判明して何をやっても楽しくなかった2009年の第2回大会。
最初はあまり観る気がしませんでしたが、日本の躍進に徐々に心が動き、決勝戦では大熱狂!
侍ジャパンの優勝には悩みも忘れるほど胸熱になりました。
 野球好きで良かったと思った瞬間で、自分も諦めずに何かにトライしてみようと思ったことが現在の ブラインドeレーサー に繋がるきっかけになった気がします。
 まもなく開幕する第5回WBCでは第2回以来の優勝が期待できる最強メンバー揃い!
大谷選手はもちろん注目していますが、私の注目選手は、
・千葉ロッテマリーンズ  佐々木 朗希 投手
・東京ヤクルトスワローズ 中村 悠平 捕手
・埼玉西武ライオンズ   山川 穂高 内野手
・ボストンレッドソックス 吉田 正尚 外野手
中村悠平捕手と吉田正尚外野手は福井県出身でWBCと福井の繋がりの深さを勝手に感じています。

まとめ

 プロ野球は、視覚障がいでロービジョン(弱視)の私でもテレビ観戦では実況放送を聞きながら画面にはカウントや配球などの各種データが大きく表示されるので楽しめるし、球場観戦では音や雰囲気が味わえて気持ちが高ぶり興奮します。
野球ゲームもファミコンの「ベースボール」の頃からやっていて、今はパワプロ2022を楽しんでいます。
 今回のWBCでは各国のスター選手や配球、戦術の違いが見られるのも楽しみです。
侍ジャパンには各選手が持ち味を発揮して素晴らしい試合展開を期待しています。
 最後になりましたが、怪我がなければ今回の侍ジャパン選出も期待された福井県出身の福岡ソフトバンクホークス 栗原 陵矢選手の大怪我からの復活を心より祈っています。
 障がいの有無や年齢、性別を問わず、みんなそれぞれのスタイルでWBCを楽しみましょう!

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この記事を書いた人

いちほまれのアバター いちほまれ ブラインドeレーサー

視覚障がいのあるeモータースポーツプレイヤーの ichihomare(いちほまれ)です。
網膜色素変性症という進行性の国の指定難病で視野狭窄や視力低下、夜盲などのロービジョン(弱視)により身体障害者手帳(2級)を所持し、日常生活では白杖を使用。
技術系国家資格の最高峰である技術士(建設部門)や一級土木施工管理技士、一級電気工事施工管理技士などの資格を持つ元国家公務員(国交省)。
難病の進行により現在は、地元福井県で障がい者雇用枠の事務職をしながらeモータースポーツで活動中。

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