【野球・NPB】プロ野球選手会のメリットとデメリット

「佐々木朗希選手がプロ野球選手会を脱退したみたいだけどどういうこと?」と感じた人は少なくないでしょう。

プロ野球選手会とは、日本のプロ野球選手の権利と利益を守るために結成された団体です。現在、12球団の選手のほとんどが加入しています。2024年時点で、選手会長は広島東洋カープの會澤翼選手です。

プロ野球選手会は、選手の待遇改善や契約交渉、移籍制度の改革など、さまざまな活動を行っています。しかし、選手会にはメリットだけでなく、デメリットも存在するようです。

この記事では、プロ野球選手会のメリットとデメリットについて解説します。

目次

プロ野球選手会に加入するメリット

プロ野球選手会のメリットは、主に4点です。

  • 引退時に積み立てたお金を退職金のように受け取れる
  • 選手の権利と利益が保護される
  • 選手会の発言権限と横のつながりがある
  • 選手会を通じて社会貢献できる

それぞれについて解説します。

引退時に積み立てたお金を退職金のように受け取れる

現役時に積み立てたお金のうち定められた額を、引退時に受け取れます。退団金共済制度があり、毎月1~50万円を積み立て、引退時に利息をつけて返金する仕組みです。

年俸の低い選手や短期間でプロ生活を終える選手にとっては、引退後のリスクヘッジになるでしょう。

選手の権利と利益が保護される

プロ野球選手会に入る最大のメリットは、選手の権利と利益の保護です。選手会は、プロ野球機構や球団との交渉において、選手の立場を代表して発言します。

たとえば、選手の年俸や契約期間、フリーエージェント(FA)やドラフトの制度など、選手にとって重要な問題について、選手会はプロ野球機構や球団と話し合い、選手の要望を伝えます。

2023年のシーズンオフには、人的補償などについて意見交換がなされたようです。

選手会は、選手の権利を侵害するような不当な処分や契約に対しても、抗議や訴訟などの対応を行います。選手会の存在によって、選手の権利と利益が守られます。

選手会の発言権限と横のつながりがある

プロ野球選手会に入るもうひとつのメリットは、選手の声が反映され、選手同士の交流が促進されることです。選手会は、選手の意見や要望を集めるために定期的にアンケートやミーティングを行い、選手の声をまとめてプロ野球機構や球団に提案します。したがって、選手会は、選手の声を聞くだけでなく、選手に情報を提供する役割も果たします。さらに、プロ野球機構や球団からの通知や連絡を選手に伝えるのも選手会の役目です。

また、選手会は、選手同士の交流も促進します。選手会のパーティーやゴルフコンペなど、選手同士の親睦を深めるイベントもあります。イベントを通して、他の選手から野球に関する技術や考え方が身につくかもしれません。

選手会を通じて社会貢献できる

他にも、プロ野球選手会に加入するメリットとして、社会貢献があります。選手会は、選手の社会的な役割や責任を果たすために、さまざまな社会貢献活動を行っています。

たとえば、選手会の社会貢献活動は、災害やコロナウイルスなどの緊急事態に対して義援金や物資の寄付を行ったり、野球の普及や後進の育成のために野球教室や道具の寄贈をしたりです。

選手会は、社会貢献活動を通して、社会的な評価や信頼を高めています。

プロ野球選手会に加入するデメリット

プロ野球選手会のデメリットは、主に2点です。

  • 選手会の費用と時間
  • 選手会の意見の対立と不満

それぞれについて解説します。

選手会に要する費用と時間

プロ野球選手会に加入するデメリットのひとつは、費用と時間を要すことです。選手会は、選手の権利と利益を守るために、さまざまな活動を行っていますが、活動には費用と時間が必要です。

選手会は、選手から会費を徴収して、選手会の運営費や活動費に充てています。選手会は、選手にとって重要な問題について、プロ野球機構や球団と交渉するために、選手会の役員や代表を派遣しています。

また、選手会は、選手の声を集めるためには、アンケートやミーティングが必要です。もちろん、社会貢献活動にも費用や時間を要します。

選手会を重んじた行動が必要

選手会内には、年俸や契約期間、FAやドラフトの制度など、選手にとって重要な問題に対する意見や要望が異なる選手が存在します。

つまり、時には選手会の方針や決定と異なる考えを持っていても、従わなければなりません。たとえば、選手会がストライキやボイコットなどの抗議活動を行う場合、選手会に加入している選手は参加が求められるでしょう。

また、選手会は選手の待遇改善や地位向上を目指していますが、必ずしも個々の選手の利益になるとは限りません。選手会に加入すると、個人の意見や要求を主張するのが難しくなるかもしれません。

プロ野球選手会の現在地

2024年1月に、千葉ロッテマリーンズの佐々木朗希選手が選手会を脱退していたことについて話題になりました。また、ロサンゼルス・ドジャースに移籍した山本由伸選手も日本球界在籍時に脱退していたようです。

さらに、2024年時点で、メジャーリーグから日本球界に復帰した複数の選手が選手会に加入していないと言われています。

多くのプロ野球のOBから、「選手会については加入しておくのが望ましい」との旨の声が上がっています。

プロ野球選手会の加入を巡る筆者の私見

メリットやデメリットを踏まえて、ここでは筆者の私見を紹介します。

一般企業などで考えると、労働組合への加入は必須です。しかし、プロ野球界で考えると、選手は各球団に所属していますが、一個人事業主でもあります。

とはいえ、個人的には、プロ野球選手は選手会への加入を必須にしてもよいのではないかと思います。脱退者が増えると、選手会の権限は弱体化の一途を辿るかもしれません。

選手会が弱体化してしまうと、さまざまな制度改革をNPBなどに提案していく際に不利になるでしょう。もちろん、選手会に加入することでデメリットがあるかもしれませんが、今後の球界のためにも必須化してもよいのではないでしょうか。

もし、脱退者が増えるようであれば、選手会とは別の形式でNPBなどに提案できる組織を作るのもひとつの手段でしょう。

まとめ

今回は、プロ野球選手会に加入するメリットやデメリットなどについて紹介しました。

選手会に加入すれば、退団金共済制度を活用できたり、選手会を通じて制度改革などの提案ができたりします。一方で、選手会に加入すると、費用がかかったり、集団としての働きかけを求められたりします。

今後もプロ野球選手会の動きについて注目していきましょう。

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この記事を書いた人

Masashi Ohtaのアバター Masashi Ohta Persist代表

2016年3月 関西大学社会学部社会学科社会システムデザイン専攻卒業。
2016年4月 新卒で国内大手生命保険会社に入社。
営業や企画業務など幅広い業務を約5年にわたり経験。
2021年1月 ITベンチャーへ転職。
保険代理店事業の立ち上げ期に、コールセンター企画や提携企業との企画折衝、さらにはコンテンツ拡充のためのサポートなどに尽力。
2023年4月 Persist立ち上げ。
2021年1月転職同時にWEBコンテンツ作成を副業で始めていたところから、WEB制作事業の運営を本格的に開始。

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