三度の飯より野球が好き。な私ですが、日本シリーズもワールドシリーズも終わってしまった。野球界も長いオフへ突入か…。
と思いきや!まだ熱い戦いが残っていました。それが「社会人野球日本選手権大会」毎年11月に行われる社会人野球のトーナメント戦で、毎年夏に行われる都市対抗野球と並ぶ社会人野球の二大タイトル戦です。
都市対抗野球は東京ドームでの開催ですが、こちらは京セラドーム大阪での開催と知り、はじめての社会人野球観戦に向かうこととしました。
向かったのは、11/5(火)の第三試合。18時からのプレーボールでした。
大会期間中は初日に1試合が行われ、そのあと準々決勝まで1日3試合ずつが行われ、準決勝・決勝と進みます。
一般開放は内野のネット裏席が中心で、一塁側・三塁側にはそれぞれの社員さんによる大応援団が陣取ります。
チケットは前売りと当日券で数百円値段が変わりますが、当日券でも特に問題なく入場できましたし、バックネット裏のかなり良い席で見られました。ちなみに、3試合をずっと見られる一日通し券の販売もありました。
https://www.jaba.or.jp/49baseball/
この試合は東芝vsヤマハの名門対決ということで、スタンドにはどちらも大応援団が!吹奏楽あり、チアリーディングあり、そして社会人野球名物の応援台からの応援と、学生野球やプロ野球とは一味違う「熱気」が伝わってきます。
試合前には、ヤマハ応援団から「フレーフレー東芝」、東芝応援団から「フレーフレーヤマハ」でエール交換。
スタメン発表時には、出場選手一人一人がベンチから登場し、スタンドに一礼。
そして、全選手がホームベース前に整列しいよいよプレーボール!
・序盤は息詰まる投手戦
東芝は松山投手、ヤマハは九谷投手とどちらも制球力に定評がある両左腕投手が先発。松山投手は140キロ台前半、九谷投手は120キロ台と速球派ではないものの、抜群のコントロールと切れの良い変化球でアウトを奪っていきます。
両投手の立ち上がりを攻め、東芝が一回裏に2点。ヤマハが二回表に2点を奪うも、その後のピンチを封じるとそこからは一転引き締まった投手戦に。
両軍の守備陣も堅い守りで、3回以降は両軍ヒットすら出ません。
この大会にはピッチクロックが導入されていることもあり、試合は早いテンポで進みます。
先に動いたのはヤマハ。九谷投手を5回73球2失点で交代。
右の近藤投手をマウンドへ。140キロ台後半の力投派で九谷投手とは一味違う魅力を持つピッチャー。6回表を三者凡退に抑えると、その裏の松山投手もヤマハを三者凡退に。
これで4イニング連続で両軍ヒットゼロ。試合は完全にこう着状態に。
7回に動いたのは東芝。ここまで6回78球2失点の松山投手を、同じく左の西村投手にスイッチ。
しかし、先頭をストレートの四球で出してしまうと、バント・ヒット・四球と繋がれあっという間にワンアウト満塁。
ヤマハの応援団からはこの日一番の大声援が。東芝応援団も西村投手にエールを送ります。
願いが通じたのは東芝!絶体絶命のピンチを内野フライ・内野ゴロで封じました。
7回裏ヤマハのマウンドは有本投手。右の速球派でストレートはMAX150キロオーバー。東芝をヒット一本の無失点で抑えると続く8回表は西村投手が落ち着きを取り戻したか三者凡退。
・試合を決めたのは主軸の一打
延長戦がちらつきはじめた8回裏。ついにゲームが動きます。
7回から続投の有本選手を攻め立てる東芝。四球とヒットでノーアウト一二塁。その後見事な送りバントが決まりワンアウト二三塁に。
絶体絶命の大ピンチ。ここでヤマハは左の山田選手相手に、左投げの佐藤投手にスイッチ。すると、佐藤投手が見事三振を奪います!
と、ここで右の四番斉藤選手を相手に、右投げの清水投手に。
佐藤投手はプロ顔負けのワンポイントリリーフでの起用に見事答えました。負けたら終わりのトーナメント。次々に勝負手が打たれます。
さぁ、四番が決めるか抑えるか。
球場中が勝負を見守る中、二球目を捉えた打球はライトオーバー!
この日両軍通じて初めての長打となる二塁打が生まれ、ついに東芝が勝ち越します。
久しぶりに試合が動いた興奮に球場が包まれる中、打席には五番の下山選手。まだどよめきが残る中、二球目を捉えた打球はなんとホームラン!
三回以降ぴたりと流れが止まった試合は、主軸の一打で一気に東芝ムードに。試合の流れと長打の怖さを痛感させられました。
貴重な4点を奪った東芝は9回も西村投手が締めて見事勝利!
選手がホームベース前に整列し、ゲームセット。大きな拍手が送られます。
試合後には両スタンドから社歌の演奏が。そして、最後は再び「フレーフレー東芝」「フレーフレーヤマハ」のエール交換。
名門対決にふさわしい熱戦を東芝が制しました。
https://www.youtube.com/embed/PdLWeldCk44?rel=0
予備知識ゼロで観に行った試合でしたが、最後まで楽しませていただきました。球場内の売店が一部営業しているほか、ビールやおつまみの売り子さんも沢山いたので、手ぶらでも十二分に楽しめます!
・個人的きらりと光ったプレーヤー
九谷青孝投手(ヤマハ)
ヤマハの先発だった九谷投手。入社13年目、34歳の大ベテラン左腕は変則フォームから速球は120キロ台ながら巧みな投球術でゼロを並べる。試合を作ってくれるだろうという安心感は絶大。
松山仁彦投手(東芝)
こちらは東芝の先発でした。横手からの鋭いスライダーはバックネット裏からも切れの良さを感じました。愛知の東邦高校出身で、現中日の藤嶋投手と同世代。高校時代は強打が光りました。
山田拓也選手(東芝)
三番ショートでスタメン出場だった山田選手。三遊間深い打球をさばいてからの一塁への送球は素晴らしかったです。U-23侍ジャパンにも選ばれ、東海大相模、青山学院大時代にもドラフト候補に入っていた選手だそうです。
網谷圭将選手(ヤマハ)
三番レフトでスタメン出場だった網谷選手。レフト後方への飛球を二度ファインプレイ!レフトの選手上手いなぁと見ていたら、DeNAに三年間育成選手として所属していたそう。元プロの技術の高さを改めて実感しました。
・とにかく楽しかった!
高校や大学などを卒業したてでプロを目指すプレイヤーも、社会人野球のベテランとして己の技を磨き続けるプレイヤーも、元プロから社会人になったプレイヤーも。
チーム戦なのはもちろんですが、一人一人の選手が一社会人としての意地とプライドを持って戦う姿が印象的でした。それはスタンドから声援を送る社員の皆さんも。
大人の青春ここにあり。とーっても楽しい試合観戦でした!
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