第103回全国高校サッカー選手権大会の2回戦が12月31日に各地で行われ、波乱の結果が相次いだ。特に注目を集めたのは、フクダ電子アリーナで行われた矢板中央(栃木)と日章学園(宮崎)の一戦。サウサンプトン加入が内定しているU-19日本代表候補FW高岡伶颯を擁する日章学園だったが、矢板中央の堅守に阻まれ1-2で惜敗。高岡の高校最後の大会は2回戦で幕を閉じた。
高岡伶颯、同点ゴールで存在感を示すもあと一歩届かず
日章学園は前半13分に矢板中央の加藤神人に先制ゴールを許す苦しい展開でスタートした。しかし、エースの高岡が見事なゴールでチームを同点に導く。25分、中盤で自らボールを奪取した高岡は、一度味方に預けて前線へと駆け上がる。そこに左サイドを突破したMF有働嵩常が正確なクロスを送り、高岡が滑り込みながらゴールネットを揺らした。
今大会の目標に「20得点」を掲げ、初戦の西目(秋田)戦でハットトリックを達成した高岡。このゴールで通算4点目を記録し、チームの士気を高めた。しかし、後半20分に再び勝ち越しを許すと、その後は矢板中央の堅い守備の前に追加点を奪えず試合終了。高岡は悔しい敗戦にも「後悔はない」と振り返り、新たな舞台への意気込みを語った。
波乱の2回戦、青森山田も初戦敗退
2回戦の舞台では、他にも波乱が続出した。特に大きな衝撃を与えたのは、前回王者・青森山田(青森)が高川学園(山口)に1-2で敗れた試合だ。後半7分、高川学園が得意とするセットプレー「トルメンタ」を発動。ゴール前で4選手が手をつないで回転し、一気にポジションを散らすトリックプレーで相手守備を混乱させた。最後はFW大森風牙がこぼれ球を押し込み先制点を奪取。さらに33分にも大森がPKを決めてリードを広げた。
青森山田は途中出場の麓萊凛が1点を返したものの、同点には届かず敗戦。10年ぶりの初戦敗退に終わった。正木昌宜監督は「高川学園の方が勝利への執念を見せた」と悔しさをにじませた。
その他の試合結果とベスト16進出校
2回戦では他にも強豪校が順当に勝ち上がった。流通経済大柏(千葉)は佐賀東(佐賀)を相手に5-0で快勝。静岡学園(静岡)も高知(高知)を2-0で下し、3回戦へ進出した。また、初戦でハットトリックを達成した嶋本悠大を擁する大津(熊本)も札幌大谷(北海道)に2-1で競り勝ち、ベスト16入りを果たした。
2回戦 試合結果
青森山田(青森) 1-2 高川学園(山口)
静岡学園(静岡) 2-0 高知(高知)
帝京大可児(岐阜) 5-1 大分鶴崎(大分)
前橋育英(群馬) 2-2(PK 6-5) 愛工大名電(愛知)
流通経済大柏(千葉) 5-0 佐賀東(佐賀)
矢板中央(栃木) 2-1 日章学園(宮崎)
明秀日立(茨城) 2-0 近大和歌山(和歌山)
東海大相模(神奈川) 2-1 草津東(滋賀)
東福岡(福岡) 2-0 正智深谷(埼玉)
新潟明訓(新潟) 0-6 阪南大高(大阪)
松山北(愛媛) 1-0 龍谷富山(富山)
津工(三重) 0-2 堀越(東京A)
札幌大谷(北海道) 1-2 大津(熊本)
上田西(長野) 2-1 徳島市立(徳島)
帝京(東京B) 5-0 金沢学院大附(石川)
東北学院(宮城) 1-0 滝川第二(兵庫)
試合が進むにつれ、3回戦以降ではさらなる熱戦が期待される。以下は3回戦の組み合わせ。
3回戦の対戦カード
- 東福岡(福岡)vs 阪南大高(大阪)
- 松山北(愛媛)vs 堀越(東京A)
- 矢板中央(栃木)vs 上田西(長野)
- 東北学院(宮城)vs 東海大相模(神奈川)
- 高川学園(山口)vs 静岡学園(静岡)
- 帝京大可児(岐阜)vs 前橋育英(群馬)
- 流通経済大柏(千葉)vs 大津(熊本)
- 明秀日立(茨城)vs 帝京(東京B)
まとめ
第103回全国高校サッカー選手権大会は、予想外の結果が続く中で波乱の展開を見せている。注目の高岡伶颯は高校サッカーの舞台を去り、新たな挑戦としてイングランド・プレミアリーグでのプレーを見据える。彼の今後の活躍はもちろん、選手権で勝ち残る16校の熱戦からも目が離せない。
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