青山学院大学が第101回箱根駅伝で2年連続8度目の総合優勝を達成。復路では“山下りのスペシャリスト”野村昭夢が区間新記録を樹立し、最後まで他校に首位を譲らずゴールイン。原晋監督はゴール後、次世代への“バトンタッチ”を示唆し、チームとしてのさらなる成長を強調した。
驚異的な山下り!野村昭夢が6区で区間新記録
- 復路最初の6区で野村昭夢(4年)が史上初の56分台(56分47秒)を記録
- チームは一気に後続との差を3分49秒に広げ、盤石のリードを確保
- 原監督は「大記録だよ!」と激励し、選手の快走を見届けた
復路最初の6区で青山学院大は、いきなり大会の流れを決定づける走りを見せた。4年生の野村昭夢が、山下りのスペシャリストとしての実力をいかんなく発揮し、史上初の56分台となる56分47秒を記録。これまでの区間記録を30秒以上も更新する驚異的な快走を披露した。スタート時に中央大学との差は1分47秒だったが、野村は独走状態を築き、2位との差を一気に3分49秒にまで広げた。
原晋監督は監督車から「大記録だよ!」と激励。18km付近でも「すっごい記録が出るよ」と声をかけ、野村を後押しした。野村は最後までスピードを緩めることなく、後続との差をさらに広げ、7区へとつなぐ。これにより、青学大の盤石なタスキリレーが本格的に動き出した。
復路のたすきリレーで圧倒的な走り
続く7区では、初の箱根駅伝出場となる白石光星(4年)が登場。緊張感が漂う中でも自分のペースを守り、堅実な走りでリードを維持した。一方、後続の駒沢大学はエースの佐藤圭汰(3年)が登場し、中央大学を抜いて2位に浮上。佐藤はケガ明けでのレースにもかかわらず、区間新記録となる1時間00分43秒を叩き出し、青学との差を1分40秒まで縮めた。
8区では、青学大のエース格である塩出翔太(3年)が登場。昨年もこの区間で区間賞を獲得しており、安定感のある走りに定評がある選手だ。この日も着実な走りを見せ、駒沢との差を徐々に広げていった。途中、給水地点では前日2区を走った黒田朝日(3年)から水を受け取り、力をもらう場面も。塩出は2年連続の区間賞を獲得し、当日変更で出場したキャプテンの田中悠登(4年)にタスキをつないだ。
9区を任された田中は、青学大の主将としてチームをまとめてきた立役者だ。この区間が箱根駅伝“ラストラン”となる田中は、序盤から安定したペースで走り続けた。10km付近では余裕の笑顔を見せ、14.7km付近では同期の片山宗哉(4年)と給水の際に“乾杯”のジェスチャーを見せる余裕もあった。原監督から「大手町で笑うよ!」と声をかけられると、田中も笑顔で応え、最後までトップを守り切った。
原監督の「大作戦」成功!大手町で笑顔のフィニッシュ
アンカーを任されたのは、1年生の小河原陽琉。原監督が指揮を執るようになってから、1年生をアンカーに起用するのは今回が初めてだった。13km付近で2位駒沢との差を2分56秒に広げる快走を見せ、安定した走りでフィニッシュ地点の大手町へ。仲間たちが待つゴールテープを切ると、真っ先に先輩たちに飛び込んだ。
青山学院大学は、復路でも一度も首位を譲らず、10時間41分19秒の大会新記録で総合優勝を飾った。一方で、復路優勝は駒沢大学が5時間20分50秒の復路新記録を樹立して獲得。青学大は完全優勝を逃したものの、復路トップの座を譲ることなく、圧倒的な強さで頂点に立った。
レース後には、大手町のゴールで原晋監督が選手たちに胴上げされ、8度宙を舞った。続けて、妻で寮母の美穂さんも選手たちによって胴上げされ、3度宙を舞った。これについて原監督は「頑張った人が報われる社会をつくりたい」と語り、裏方で支えてきた美穂さんにスポットライトを当てた。
原監督が語る“次の時代”への準備
その後、原監督は総合優勝を振り返りながら、自身の進退についても言及。「私も58歳になります。いつまで現場の責任者をやるのかという話」と語り、次世代へのバトンタッチを考えていることを明かした。ただし、「来年は3冠、3連覇を目指す」とも語り、さらなる高みを目指す意欲を見せた。
まとめ
青山学院大学が箱根駅伝で見せた強さは、選手一人一人の力だけでなく、チーム全体の組織力の結晶だ。原晋監督は「新しい時代」への準備を進める一方で、青学大が“新緑の王者”として箱根の舞台で輝き続けることを強調した。来年はさらなる偉業を成し遂げるのか、注目が集まる。
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