2025年6月11日、サッカーの天皇杯JFA第105回全日本サッカー選手権大会2回戦で、J1横浜F・マリノスがJFLのラインメール青森に0-2で敗れる波乱が起こった。この結果、横浜Mは2回戦で姿を消し、青森はジャイアントキリングを達成して3回戦に進出した。試合の立役者となったのは青森の守護神であるGK廣末陸（26）。彼は前半35分にPKを冷静に決め先制点を挙げ、その後、同アディショナルタイムにはロングキックを起点に追加点も生み出すなど、攻守にわたる活躍で試合を支配した。
青森GK廣末陸が攻守にわたる活躍
試合は、横浜FMが立ち上がりから攻勢をかけたものの、青森の守備に苦しむ展開が続いた。特に青森のGK廣末は絶好調で、横浜FMのMF天野純が放ったシュートを見事にセーブしたり、他にも数度の決定機を阻止したりするなど、その守備力を強く印象づけた。しかし、前半35分、青森が横浜FMのDFサンディ・ウォルシュのファウルによって得たPKのチャンスで、廣末が冷静にゴール右隅にシュートを決め、青森が1点をリードする。
そして、前半アディショナルタイムには、青森の攻撃が続く。廣末の正確なロングフィードが最前線のルイス・フェルナンドに届き、彼の素早いドリブルからのグラウンダーのクロスが相手GK朴一圭のミスを誘い、フェルナンドが冷静に2点目を決める。この追加点により、青森は2-0で試合を折り返すこととなった。
横浜FMの反撃も空回り
後半、横浜FMは懸命な反撃を見せた。キスノーボ監督は後半開始早々に3枚替えを行い、選手を投入して流れを変えようと試みた。しかし、青森の守備は安定しており、横浜FMはなかなか決定的なシュートを打つことができなかった。特に青森GK廣末は、試合を通じて冷静に対応し、横浜FMの攻撃を封じ込めた。
さらに横浜FMは、攻撃を仕掛ける一方で、青森の鋭いカウンターアタックに悩まされる場面も多く、後半途中にはDF山村和也を前線に投入してパワープレーに出るも、結局ゴールを奪うことはできなかった。試合の終息を迎えるとともに、青森は見事に0-2での完封勝利を収め、3回戦進出を果たした。
キスノーボ監督、去就問題が浮上
試合後、横浜FMのパトリック・キスノーボ監督は試合結果に深い悔しさを隠せなかった。「悔しい結果になってしまった。チャンスをものにしなければやられてしまう」と語り、特に自らのチームが簡単に失点を許してしまったことに対して強い反省の意を示した。また、「失点の場面は自分たちから相手に与えてしまったようなもの」と、青森に与えたチャンスを自らのミスと捉えていた。
試合後、横浜FMのサポーターからは厳しい声が飛び、スタジアム内にはブーイングが響いた。キスノーボ監督は「ファン、サポーターは後押ししてくれている。あのような試合を見せてしまえばあのようなブーイングは当たり前だ」と、ブーイングに対して理解を示したが、これが監督の去就問題に再び影響を与える可能性が高い。
横浜FMはリーグ戦でも最下位に沈んでおり、天皇杯の敗北がさらにその状況を悪化させる結果となった。監督の采配や選手のパフォーマンスに対する不満が高まる中で、今後のチームの成績が監督の運命を決定づけることとなりそうだ。
青森の監督と選手の評価
一方、青森の原崎政人監督は試合後、選手たちを高く評価した。「選手たちは非常にモチベーションが高く、やりたいことをしっかりと表現してくれた。特に守備陣が、横浜FMの強力な攻撃をしっかりとしのいでくれたことが大きかった」と語り、選手たちの奮闘に満足そうな表情を見せた。
特にこの試合で目立ったのが、守護神でありゴールスコアラーでもある廣末陸だ。昨年からJFLで4年連続得点を記録しており、今回も見事なPKで先制点を挙げたことは、青森の勝利に大きな影響を与えた。試合後、廣末は「自分たちがやってきたことに自信があったし、しっかりそれを発揮できれば勝てると思っていた」とコメント。守備陣の奮闘にも感謝し、チーム全体のパフォーマンスに誇りを持っていた。
また、青森はこの勝利を自信に変え、次のラウンドに臨むこととなる。今後の天皇杯でどこまで進むことができるのか、楽しみなチームとなった。
試合後のSNS反応と横浜Mの未来
SNSでは、横浜FMの敗北に対してさまざまな反応が寄せられた。「JFL相手に負けるのはあり得ない」「監督の去就問題が浮上するのも無理はない」といった厳しい意見が多かった一方で、「青森のジャイアントキリングに感動した」という声もあった。試合の結果、横浜FMのJ1残留を心配する声が上がる中で、監督交代や選手のパフォーマンスの見直しが求められる時期に差し掛かっている。
一方で、青森には多くの称賛の声が寄せられ、「青森の守護神廣末陸がやってくれた」といったコメントがSNSでトレンド入り。GKとしてのプレーだけでなく、得点を挙げる珍しい記録にも注目が集まり、青森の未来に期待が高まった。
まとめ
横浜F・マリノスは天皇杯2回戦でJFLのラインメール青森に0-2で敗れ、屈辱的な初戦敗退を喫した。青森の守護神・廣末陸は、PKで先制点を挙げ、アシストも記録するなど攻守にわたる大活躍で試合を決定づけた。試合後、横浜FMのキスノーボ監督は深い悔しさをにじませ、去就問題が再燃する可能性がある。青森は見事なジャイアントキリングを成し遂げ、次のラウンドに進出したが、この結果が横浜FMにとっては大きな試練となることは間違いない。
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