2025年12月10日(日本時間11日)、カナダ・ケロウナで開催されたカーリング女子ミラノ・コルティナ五輪最終予選で、日本代表「フォルティウス」がノルウェーを6-5で下し、悲願の五輪出場を決めた。スキップ・吉村紗也香は、高校生時代から5度目の挑戦にしてついに夢舞台へ。チームは幾多の困難を乗り越え、日本女子として8大会連続の五輪出場という偉業を成し遂げた。
- 日本女子カーリング代表・フォルティウスが五輪出場決定
- スキップ吉村紗也香、5度目挑戦で悲願の五輪初出場
- ノルウェーに逆転勝利、日本女子は8大会連続の五輪出場へ
- 元スポンサー撤退の危機を乗り越えたクラブチームの結束力
- 経験と新戦力が融合した“総力戦”でつかんだ夢の切符
苦難乗り越えつかんだ五輪出場
胸に刻んだ「金メダルへの道」
2025年12月10日、ケロウナで行われた女子プレーオフ第1戦。1次リーグで唯一敗れたノルウェーと再戦した日本代表フォルティウスは、6−5の接戦を制して劇的勝利を収めた。吉村紗也香がスキップを務めるこのチームは、リードの近江谷杏菜、サードの小野寺佳歩らとともに長年五輪出場を目指し続けてきたが、遂にその扉を開いた。
五輪出場枠はわずか2つ。1次リーグを6勝1敗で2位通過した日本は、1位のノルウェーと一発勝負。試合は終始接戦の展開だったが、最終第10エンドで相手のラストショットが外れ、日本に勝利が転がり込んだ。
試合直後、吉村は涙を浮かべながら「このメンバーで五輪の出場権を勝ち取れたことが本当にうれしい」とコメント。高校時代から五輪を夢見てきた彼女にとって、実に16年越しの悲願達成だった。
同級生コンビがつないだ絆
吉村と小野寺は北海道・北見市の同級生。ジュニア時代から互いに支え合い、切磋琢磨してきた間柄だ。ソチ五輪出場経験のある小野寺は腰痛を抱えながらも出場し、吉村のショットを力強くサポート。試合後には「一緒に五輪へ行けることが何よりうれしい」と語った。
エースの吉村は「佳歩と話すと、いつも前向きな言葉が返ってくる。自分にとって大きな存在」と感謝の気持ちを明かし、チームの結束力の強さをにじませた。
存続の危機を乗り越えて
クラブチーム化と新体制
フォルティウスは元々「北海道銀行フォルティウス」として活動していたが、2021年にスポンサー契約が終了。選手たちは所属先を失い、引退も頭をよぎる中でクラブチームとして再出発を決断した。
貯金を切り崩し、クラウドファンディングで遠征費を捻出。試合の合間にはスポンサー探しに奔走するなど、競技だけでなく生活面でも困難な状況が続いた。それでも「カーリングができるだけで幸せ」と語る選手たちは、支えてくれた家族やファンへの感謝を胸に戦い抜いてきた。
メンタル強化と新たな戦術
精神面では、2023年WBC日本代表のヘッドコーチを務めた白井一幸氏をメンタルコーチとして招聘。「前後際断(今この瞬間に集中する)」の教えが、選手たちの精神的な軸となった。
また、世界王者ニクラス・エディン氏をコーチに迎えたことにより、戦術の幅も拡大。チームは「攻めのカーリング」を軸に、冷静かつ大胆なプレーで接戦を制する力を養った。
進化し続ける“5人の絆”
若手・小林未奈の台頭
今大会では、小野寺の不調を受けてセカンド・小谷優奈とともに若手・小林未奈が出場。小林はショット成功率90%という驚異的な数字を残し、チームの選手層の厚さを証明した。「誰が出ても勝てる」フォルティウスの総力戦体制は、五輪本番へ向けた大きな武器となる。
母として挑むスキップ・吉村
2023年に出産し“カーママ”となった吉村。産休から2ヶ月でリンクに復帰し、家族の支えを受けながら五輪を目指してきた。「ママ、頑張ったよ」と息子に伝えたいと語る姿には、母として、アスリートとしての強さがにじむ。
まとめ
8大会連続の五輪出場を決めた日本女子カーリング代表・フォルティウス。苦難を乗り越えたその軌跡は、まさに「より強く」というチーム名を体現するものだった。16年越しに夢をつかんだ吉村を中心に、チームはついにスタートラインに立った。目指すは、ロコ・ソラーレが成し遂げられなかった“金メダル”。今、フォルティウスの新たな物語が始まる。
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