記事のポイント
・田中佑美(富士通)が女子100m障害で12秒86をマークし、初の日本選手権制覇
・中島ひとみ(長谷川体育施設)とは1000分の3秒差、着順誤表示による大混乱も
・正式結果まで選手全員が輪になって結果待ち、健闘を称え合う美しい光景も
・世界選手権参加標準記録には未到達も、世界ランキング25位で出場圏内に位置
大会を揺るがす“誤表示劇” 混乱の末に決まった王者
7月6日に国立競技場で開催された陸上日本選手権最終日。大会のトリを飾った女子100メートル障害決勝で、陸上史に残る混乱と感動のドラマが繰り広げられた。
ゴールした瞬間、1位表示が田中佑美(富士通)に。続いて中島ひとみ(長谷川体育施設)へと切り替わり、さらには6位だったはずの寺田明日香(ジャパンクリエイト)が3位に表示されるなど、順位が二転三転。最終的に写真判定により、田中が12秒852、中島が12秒855で田中の優勝が確定した。
その差はわずか0.003秒。選手たちはトラック上に輪になって座り込み、緊張と笑顔が入り混じる時間を共有。決着が告げられた瞬間、田中と中島は抱き合い、感動的な場面となった。
自己ベスト更新でつかんだ頂点
田中は5日の準決勝で自己ベストとなる12秒80をマークし、日本歴代2位の記録を樹立。レース当日は冷静なスタートを切り、終盤で並びかけた中島を最後の数メートルで振り切った。中島も自己記録12秒81を持つ実力者であり、まさにハイレベルな激戦だった。
「今まで何度も銀メダルで終わってきた。今回、勝てたことが今後の糧になる」と田中は喜びを噛みしめた。
日本ハードル界の新時代へ
今大会は12秒台の選手が7人出場した超ハイレベルな戦いとなり、日本記録保持者の福部真子(日本建設工業)が3位に入るなど、国内女子ハードル界の層の厚さを証明した。今季限りで第一線を退く寺田明日香は6位に終わったが、レース後の選手たちとのやりとりには、競技を超えたリスペクトがあふれていた。
参加標準記録(12秒73)を突破した選手はいなかったが、田中は世界ランキング25位で出場圏内におり、9月の世界選手権(東京)代表入りが有力。自身初の日本選手権制覇で、“脱シルバーコレクター”の名を証明し、世界の舞台に挑む。
まとめ
1000分の3秒という紙一重の勝負が、スポーツの持つドラマ性を鮮やかに描き出した女子100メートル障害決勝。混乱と感動、競技の厳しさと仲間の絆が交錯した一戦は、日本陸上界にとって忘れられないレースとなった。田中佑美が挑む“東京世界陸上”でのさらなる飛躍に、期待が集まる。
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