記事のポイント
・陸上日本選手権男子100m予選で波乱、サニブラウンがまさかの敗退
・右股関節負傷を抱えた状態で強行出場も、10秒45で予選落ち
・柳田大輝は不正スタートで失格、実力者2人が姿を消す異例の展開
・サニブラウンは世界選手権参加標準記録を突破済み、代表入りの可能性残る
男子100mに波乱続出
サニブラウン、ケガを押して出場も予選敗退
2025年7月4日、東京・国立競技場で開幕した「第109回日本陸上競技選手権大会」は、9月に開催される世界陸上東京大会の代表選考会を兼ねて行われた。注目の男子100メートルでは、サニブラウン・アブデルハキーム(東レ)がまさかの予選敗退という波乱の幕開けとなった。
サニブラウンは、6月26日の練習中に右股関節上部を負傷し、骨挫傷と診断。全治3週間の重傷を抱えながらも、「応援してくれる人に走る姿を見せたい」という強い思いでレースに臨んだ。しかし、向かい風1.5メートルという条件の中、10秒45で7組4着となり、初の予選敗退を喫した。
「片脚で走っているような感覚だった」と語ったサニブラウンだが、「痛みはあったが、走ることに意味があると思った」と前向きに振り返った。スタートの出遅れと加速不足が影響したが、それでも「後悔は全くない。逆に出て良かった」と語り、アスリートとしての矜持を示した。
柳田は無念のフライング失格
優勝候補がスタートすらできず涙
さらに、同じく優勝候補とされていた柳田大輝(東洋大)は、予選6組でスタート直前に身体が前に動いてしまい、不正スタートで失格。一本も走ることなくトラックを後にするという無念の結果となった。
「こんなにワクワクしてスタート台に立ったのは初めてだった。でも、冷静さを欠いていたのかもしれない」と語り、涙を浮かべながら悔しさをにじませた。
柳田は今年5月の関東インカレで追い風参考ながら9秒95をマークし、セイコーGGPでも10秒06を記録。世界選手権参加標準記録(10秒00)を突破しており、本来なら代表内定に最も近い存在の一人だっただけに、今回の失格は大きな痛手となった。
世界陸上代表入りへの可能性は?
サニブラウンと柳田はまだ諦めない
今回の日本選手権で、男子100メートルの代表内定を得るには「参加標準記録を突破し、かつ大会3位以内に入る」ことが条件。サニブラウンはすでに昨年のパリ五輪で9秒96を記録し、標準記録を突破済みだが、今回の予選敗退により即時内定は逃した。
ただし、今後の決勝進出者たちが8月24日までに10秒00をクリアできなければ、世界ランキング(現在17位で日本人トップ)を基に、出場資格が与えられる可能性が残っている。また、開催国枠の選考も視野に入る。
サニブラウンはレース後、「一日一日無駄にできない日が増える。しっかり治して、最善のコンディションで挑めるようにしたい」と語り、世界陸上に向けて前を見据えていた。
まとめ
男子100メートルは、まさかの展開で幕を開けた日本陸上選手権。日本短距離界をけん引してきたサニブラウン・アブデルハキームは、負傷を抱えながらも懸命に走り抜き、アスリートとしての誇りを示した。柳田大輝もまた、失格という厳しい現実に直面しながらも、次なるステージへの覚悟を語った。
決勝では、桐生祥秀や小池祐貴、多田修平らが代表切符をかけて戦う。8月24日までの標準記録突破がカギとなるなか、サニブラウンと柳田が世界陸上東京大会のトラックに再び立つ日は来るのか。その行方に注目が集まる。
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