2023年8月25日、バンテリンドームで悲劇が起こったことを覚えているでしょうか。
その日は、中日ドラゴンズ対横浜DeNAベイスターズの第18回戦。
中日が2-8とリードされた9回表に登板したのが、1軍登録されたばかりの近藤廉投手。
当時、24歳だった左腕は、プロ野球史上2位タイとなる1イニング62球を費やし、被安打8、四死球5、10失点と打ち込まれました。
私はその時、球場にいました。3失点目辺りまではため息に包まれていた球場も、徐々に近藤投手を後押しする声援に変わり、最後は球場全体で左腕を応援する空気に。
マウンドで呆然とする近藤投手、最後まで真剣勝負を続けたDeNA打線、球場全体が一体となった瞬間。中々見られない光景に、生涯記憶に残る試合となりました。
その近藤投手が2024年、2軍で活躍しています。
オフに戦力外通告を受け、その後育成選手として再契約。背番号が「214」と重くなりましたが、再び1軍のマウンドを目指して懸命に腕を振っています。
5月7日時点で、開幕から12試合連続無失点の好投。中継ぎとしてイニングまたぎもこなし、支配下返り咲きに向けて猛アピールを続けています。
中日の支配下枠は68(7日時点)。開幕直前にロドリゲス選手と尾田剛樹選手、5日には板山祐太郎選手を支配下登録し、上限の70まで残り2枠と空きは多くありません。
中日の育成には、通算300試合登板の実績を誇り、トミー・ジョン手術からの復活を目指す岩嵜翔投手や岡田俊哉投手、松木平優太投手など、ライバルが大勢います。
1軍のリリーフ左腕に目を向けると、齋藤綱記投手が開幕から14試合連続無失点、橋本侑樹投手も12試合に登板して存在感を示しています(ともに7日時点)。
1軍復帰への道のりは険しいですが、着実に歩みを進める近藤投手。
8月25日の悲劇を乗り越え、中日ファンだけでなく、多くの野球ファンに感動を与えてくれる日が来るかもしれません。
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